犬も歩けば好きに当たる

アニメやマンガの雑記ブログ

『明日、私は誰かのカノジョ』を読んだよ

お久しぶりです。前回の記事から1年経ってしまいました。
自分自身このブログの存在を忘れていたのですが、未だほぼ毎日アクセスがあるみたいで驚いています。

本題の前に自分語りになりますが、この一年間は同人活動に精を出していました。1年小説を書いてきてちょっと立ち止まりたくなったというか、今後の活動の仕方について一回考え直すタイミングなのかなーと思い、少しだけ執筆の手を止めています(マラソンの給水所でちょっと一休みしてるようなイメージです、まだ走り続けます)。
最近、自分の文章がとてもまとまりがなく、下手なものに思えて仕方がありません。
とにかく、自分が考えてることをきちんと文章にする、という練習(訓練?)をキッチリやっておかねば…と思い久々に記事を書いています。
最近作家のエッセイばかり読んでるんですけどね、皆さん文章に個性がありながらも、とてもわかりやすく読みやすい文章です。すごいです。(特に穂村弘村上春樹のエッセイが好きです)私もこんな風に書けるようになりたい。

さて、久々に感想ブログ、何書こう? と考えた瞬間真っ先にこの作品が思い浮かびました。


はい、明日カノですね~~!

はじめて読んだのは去年の年末だったかな? 今年の年末は家で過ごしていたので、「なにか面白い漫画ないかな~」と探していたところ、この作品に出会いました。結果、一気見しました!!その後連載分をサイコミで毎週読んでます。
めちゃくちゃおもしろいのではやく皆さんポチって下さい。
とにかく「見た目(ルッキズム)」について様々な角度から描かれています(傷、美貌、整形、コンプレックス、武装・自己表現・自己卑下のためのファッション・メイクetc)。そしてそれを取り巻く「お金」について(レンタル彼女、パパ活、裏引き、キャバ、風俗、ホスト)。 
「他人にどう見られるか、求められるか」→「それに対して自分がどう行動していくのか」というのが軸になっていると私は考えました。これが令和の女の子の生き様だ!!!

今6巻まで出ているのですが、雪ちゃんを中心にしたいろんなの女の子についてのエピソードが描かれています。これまでの主な登場人物は雪ちゃん、リナちゃん、あやなちゃん、萌ちゃんです。
それぞれの女の子ごとに感想を書いて行こうと思います。



①雪(レンタル彼女編)

顔半分に大きな火傷の痕がある女子大生(19)。
生活費を稼ぐためレンタル彼女をしている。(何やら母親とは訳アリの様子で実家からの支援は受けていない)
黒髪ロング、清楚で綺麗な「見た目」の女の子。痕は化粧で隠している。真面目。家では眼鏡派。

超~しごできな女の子です。客の求めているものをキッチリ提供しています。プロです。しかも「仕事だからやってる」感を出さないので、お客さん側からしたら「本当にホントの彼女」なんです。そりゃハマっちゃいます。
でも「これは作られた見た目」だからって内心冷めてる感じが最高にクールです。

ひょんなことからお客さんに傷を見られた後、そのお客と一泊旅行に行きます(もちろん仕事で)。
その際、傷を隠さずすっぴんの姿を見せていたことが印象的でした。情が移りそうになっている描写もあり、少なからず気を許しているのかな、と思いました。でもやっぱり、仕事は仕事なところが推せます。でも芯が強すぎて「もっと気楽に生きていいんだよ~~泣」と声をかけたくなります。

②リナ(パパ活編)

キラキラ女子大生。雪と同級生。パパ活をやっている。

リナはお金のため、というより求められてる実感が欲しくてパパ活をやってる女の子です。
でもそれは誰もいいわけでは無くて、ちゃんと自分の価値を分かってくれる人(=高いお金を出してくれる人)を求めています。そりゃ自分を買いたたかれたくないよね。
寂しくてナンパについて行ったり、パパに依存気味です。
こういう風に書くと芯が無くて弱い子みたいに見えますが、見た目には自信があり、自分本位ではあるが友達想いで、根はいい子です。良くも悪くも自分中心にしか考えられないんだと思います。
パパが雪にとられそうになってひと悶着ありますが、気になる同世代の男の子に出会い「ふつうの」女の子らしい誠実なお付き合いが出来るよ予感。

③あやな(裏引きと整形編)

雪と同じ店でレンタル彼女をやってる30代。彼氏持ち。めちゃくちゃスリムでかわいい。整形依存。整形代を稼ぐために裏引き(お店を通さずにお客さんと会い、金品をもらうこと)をやってる。

あやなちゃんはこれまでの主人公の中でいちばん『美醜』に執着してます。キャバクラで働いている時「ブスだから、可愛くないから」という理由でお客を取れなかったり、辛い仕打ちをうけたようです。
そのため他人に対する見た目の評価も厳しめです(あの子は目元はかわいいけど歯並びがダメ、こうしたらもっと可愛くなれるのに…と道行く人を勝手に審査、知人のぽっちゃり奥さんに「豚にデパコスなんだよ!」と脳内で罵倒)。

綺麗になると自分に自信持てますよね。だからあやなちゃんは体型維持して、デパコスでスキンケアして、さらに整形で見た目を美しくしているのです。努力のひとです。めちゃくちゃストイックです。綺麗になっても全然満足なんてできなくて、もっと!もっと!とさらにストイックになってます。そのストイックさを他人にも向けているのが印象的でした。もうそういうアドバイザー的な仕事した方が絶対いいくらい(笑)

彼氏がいるのですが、「この見た目じゃなかったら好きになって無いでしょ」って、どこか冷めてたり、もとから整ってる見た目の人を前にして(私はスタートラインに立つまで数百万使ったのに!恵まれた奴め!)と嘆いたり、ほんとあやなの自己肯定感が低くて「あ~~~泣」となりました。でも「死んでも身体は売らない」って決めてる姿が強い。

あやな編の最後、裏引きがバレて店をクビになります。その際、雪の傷を知るのですが、親身にアドバイスしていました。見た目に関する心の傷を持つ者同士だから優しくなれたのかな。仲間ができてうれしい!って描写もありましたが。
仕事クビになって彼氏と別れても、また自分の力で這い上がっていこうとする彼女、強い、強いです。

④萌(ホス狂い編)

エスニック風の恰好をしてる女子大生(20)。お酒が好き。のちにホストにはまり風俗嬢になる。

量産型のキラキラ女子を見て「そんなの自分がないのとおんなじ、つまらない子たち」と苦言を呈しています。一方「自分は分かってる、弁えてる」という自己評価です。
行きつけのバーでホス狂い女子・ゆあと出会い、みるみるうちに楓というさわやか系のホストにはまっていきます。「ワンセット大仏(直訳:金使わないブス)」と揶揄されショックを受けながらもお金のためにレンタル彼女になろうと決心し、リナに「今どきの女の子風」にしてもらう。研修期間があると知り、断念→手っ取り早く稼ぐため風俗へ!

え~~~!!そこはキャバとかガルバじゃないの!?!?即風俗て…とびっくりしました。
同級生とセフレだったし、体型はぽっちゃりしてだらしないし、自分を大事にするって感覚が薄い子なのかな…あやなとは対照的です。
ホストにはまるにつれてどんどん可愛くなるんですけどまぁでもそれはすべてホストのためなので…萌自身もおしゃれを楽しんでいる様子なんですけど、結局はホストのためなので…ずっと斜に構えてぶっきらぼうだったのに、素直に会話を楽しんだり愛想笑いできるようになったんですけど、それもホストあってのことなので…萌たゃ自身にいい変化がたくさん起きているはずなのに、なんだろうこの明るい地獄…いやホストがダメっていうことじゃなくて、自分の身の丈に合わない遊び方してるのがダメなんですよね。適度に楽しむには良い遊びだと思うんですが。楓のバースデーイベントに向けて鬼出勤して病んでく様子がリアルでした。

萌たゃの担当ぴ

萌がハマってる楓君、めっちゃしごできです。女扱い慣れしてない萌の乙女心をくすぐってくる。グイグイ来すぎず、かといって友営しすぎず、プロの匙加減。気遣いの鬼。たまにアフターいってガチャガチャのキーホルダー貰うだけで萌の心は有頂天です(でも楓、枕はしない)。

歌舞伎の地雷女子

そしてなんといっても萌たゃをホス狂いの沼に引き込んだゆあてぁ!!地雷メイク!MCMのリュック!!バチバチに空いたピアス!!リスカ痕あり!!絵に描いたような地雷女子です。かわいい~~~~~~!!
萌とアイバン(一緒に卓に入ること)するくらい仲良くなります。(担当ホストのはるぴはしごできじゃない)
最後、萌がホス狂い辞めることと、ゆあを大事な友達だと思ってることを勇気出して伝えるんですが、それをバッサリ「え、ぬる…」って返してそのまま帰っちゃうシーンがめちゃくちゃ良かったです。
所詮ホストで繋がった仲なので、向こうが「ホス通い辞める」って言ったらそりゃ冷めちゃうよね。ゆあのなかで萌は「友達」ではなく「趣味仲間」だったわけです。趣味仲間は同じ熱量でハマってくれるからこそ楽しいのに。「え、お前あんだけホストハマってたくせにもう辞めちゃうわけ? 1年も経ってないのに? 所詮お前はその程度の人間だったわけ??」が「え、ぬる…」に集約されていました。

ホス狂いになって風俗やって大学も辞めて友達も失った萌たゃ、その後美容師になったの、えらい。幸せになってね。
化石系ホスト七星くん、売れてほしい…


<総括>
いろんなフィールドで女は自分と戦ってんだな…