令和から井上陽水にハマったので「Make-up Shadow」について語る
皆さん井上陽水、好きですか?
私は大好きです。
ハマったきっかけ
ぶっちゃけ今まで少年時代と女神しか知らなかったのですが、トリビュート・アルバム「井上陽水トリビュート」でKing Gnuが歌う「飾りじゃないのよ涙は」に心を奪われ、いろいろ辿っていくうちに「傘がない」「帰れないふたり」にたどり着き、映画『鳩の撃退法』でKIRINJI・堀込高樹氏が「氷の世界」をカバーしたことで井上陽水の世界にさらに深く身を沈めることとなりました。
ちなみにこの冬はセルフカバーアルバム「9.5カラット」のリピートが止まらなくて、暇さえあれば9.5カラットに輝いていた(私が)
そして最近は「Make-up Shadow」が特にお気に入り。今日はそんなMake-up Shadowについて語っていこうと思います。
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Make-up Shadowのすごさ
私は音楽理論をきちんと勉強していないのでただの感想にすぎませんが、とにかくすごいので語らせてくれや。
サウンドがすごい
バンドサウンドがテクノポップのような要素が散りばめられているのがすごい(陽水の曲はシンセの使い方うまいですよね)。ちなみにリリースは1993年。今聞いても古さを全く感じない。
個人的にシンバルの使い方が秀逸だな、と思う。目立ちはしないけどお洒落に脇を固めてるというか...出だしの軽快なスプラッシュシンバルがまず爽やか。サビの後ろでシャーシャーなってるハイハットがかっこいい。
そしてなんといっても転調!!!!!転調がすごいのよ。
BメロからコードがFマイナーからA♭メジャーに変わって(+3)聞き手がいっきに物語の中に引き込る。で、またF#メジャーにまた転調(-2)、そしてサビでもとのちFマイナーに戻る(-1)揺さぶられっぱなしですわ...でも調声が元に戻るから謎の解決感とスッキリ感がありテンションがあがる。
「なにかが今日はリアルでシュールな」←ここのメロディライン、サビの出だしとしてはけして派手なものではないのだけれど、ひとつひとつ着実に階段を踏みしめるような雰囲気がいい。
あと、「メイクアップシャドウ×2」のところで鳴ってるカッティングがめちゃくちゃかっこいい。そして後に残る、シャドウ(影)の名を体現するかのような余韻はなんだんだろう。全体にふんわりかかってるリバーブのせいだろうか。とにかくいい。
歌詞がすごい
(歌い出し)
はじめての
くちべにの
くちびるのいろに
はじらいを
きづかせる
おとなびたせかい
韻を踏んでるというか、音で遊んでる感がすごい。聞いていて気持ちいい。
はじめての(aieeo)とはじらいを(aiaio)で母音が違うからメロディーを当ててるのも芸が細かい。子音もHとKで合わせて最後「おとなびた(O)」で解放させるのがもう最高。
その後も言葉遊びのような音が並んでいて耳が心地よい(歌詞と同時に、言葉の「音」で楽しむ感じ)
失踪感のあるサウンドでありながらも、歌詞の内容は初めて口紅をつけた少女のドキドキした気持ちと、夢みる世界への憧れ、背伸びする様子が描かれていて、その対比がなんともいい。
この前カラオケで歌ってみたんですが、難しくてなかなか歌えず、井上陽水は我々が歌う音楽じゃなくて「鑑賞する」音楽に近いのかもと思った。(KIRINJI,川谷絵音の楽曲,FISHMANSあたりにも同じことを思っている)
彼の声って楽器みたいですよね。
私の語彙や知識では魅力のすべてを伝えきることができないので、まずは聞いてみてください。
最近、「俺の心に寄り添ってくれるのは陽水だけだ…」になりつつある。それくらい歌のパワーがすごい。
井上陽水……いつまでも元気で健康であれ……