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アニメやマンガの雑記ブログ

雪組公演『fff-フォルティッシッシモ-/シルクロード~盗賊と宝石~』東京千秋楽を見たよ

2年ぶりくらいに宝塚(ライビュ)を見てきました!
あの…私…学生時代はずっとヅカヲタ(雪組娘役ヲタ)をやってまして…なんなら大劇場遠征とかしてたんですが…贔屓が退団した&ここ数年は忙しくてなかなか見に行けず…

しかしだいきほの退団公演見逃さないわけにいかない!とライビュをみてきました。

 

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fff-フォルティッシッシモ-/シルクロード~盗賊と宝石~

kageki.hankyu.co.jp

 


雪組は『凱旋門/Gato Bonito!』ぶりの観劇です(2018年夏だって…びっくり)。
開演前プロジェクションマッピングみたいなのが流れてて技術の進化に驚く(普段は過去作品ばかり家で見ているので)。ちなみにLED大階段にも未だに毎回驚いている。

<fff
脚本・上田久美子 の時点で勝利なんですよね。
月雲の皇子、星逢一夜、金色の砂漠でがっちりと私の心は上田先生に掴まれていますので…期待しかなく……
今作はベートーヴェンの生涯を描いた作品でした。交響曲第三番「英雄」がナポレオンのために書かれたことは有名ですが、今回の作品でベートーヴェンとナポレオンについてどう絡ませて描かれるのかすごく楽しみでした!!


冒頭、望海風斗さまの登場。ちょっと長いふわふわの髪の毛!!いい!!
あの…私…望海さんのピシッとオールバックのスーツもの(これはオーシャンズのせい)とラテンもの(だいたい花組エスメラルダのせい)がめちゃくちゃすきなんですけど…
今回の長髪っぽい鬘どれもすきな感じのやつばっかりでした。
ベートーヴェンの順風満帆、とは消して言えない人生。好きな女性が貴族と結婚したり、好きだったナポレオンが皇帝になって愕然としたり、何より音楽家の命ともいえる聴力を失ったり…でも音楽に対する情熱だけは失わずがむしゃらに曲を書き続ける姿が素晴らしかったです。望海さんの苦悩する表情がいい…
望海さんのベートーヴェン傲慢なところががすごく人間臭くてとても好きです。
終盤のナンバー、歌う姿に鬼気迫るものがありました。映像ですらすごいのに、生で見たらもっとすごいんでしょうね…。

真彩希帆ちゃんの謎の女、めちゃくちゃカッコイイ……喪服っぽいドレス、パット見スカートに見えてパンツスタイルなところもカッコイイ。きぃちゃんのちょっと低めの声と役のミステリアスさが見事にマッチしていて出だしから心臓掴まれた…含み笑いとか、高笑いとか、似合うよね。今回めっちゃ高笑いしててサイコーでした。
ナポレオン即位後、苛立つベートーヴェンに対して「裏切られたのね」と声をかけるのですが、このセリフの嘲笑と慈愛が入り混じったようなニュアンスが痺れました。
だんだん耳が聞こえなくなってゆくベートーヴェンですが、彼女の声だけは聞こえます。なので彼女に通訳的なことをさせるのですが、そのシーンが掛け合いのデュエットのようで聴きごたえのあるナンバーが多かったです。
謎の女が「ベートーヴェンだけに見える幽霊的な存在」と分かってから、多少コミカルな掛け合いもあり、すこし肩の力が抜けました。
それにしても後半のあのピンクの肩だしドレス、何w?!想像の存在、想像の衣装とはいえいきなりどピンクのドレスは驚いたwえっちすぎる。その恰好でゲーテの元へ行っちゃうし(笑)

朝美絢さんが依然見た時よりすごく美しくなっていらしゃって、なにより歌がとてもうまくなってて、びっくりしました…!最強じゃん…!

あと、私には娘役でずっと好きな方がいます。それは沙月愛奈さんです!!
彼女今回「若きウェルテルの悩み」のウェルテルの恋人役だったんですが、The・娘役!って感じの可愛らしいお衣装とバレリーナっぽい振りで最高でした…やっぱり私はあゆみさんのダンスが大好きです。
そしてダンスといえば!ひーこちゃんが「小さな炎」という概念の役(ロミジュリの愛/死みたいなやつ。愛/死を考えた人は天才だと思った)でしたね。力強くも繊細なダンスで、ベートーヴェンの心情を表現していました。

今作は回想や場面転換が多く(ベートーヴェンの現在・青年期・少年期、ナポレオンの戦局、神と審判前の音楽家たち)一回見ただけでは理解しきれない部分もあったので、今後円盤でじっくり見ようと思います。多分これスルメタイプの舞台です。
コロナ感染予防の観点から生オケじゃないのがとても残念だったのですが、空いたオケピを使った演出などもあり、そういう場面にも感動しました。



シルクロードー盗賊と宝石ー>
生田大和先生の初ショー作品!!生田先生の小劇場作品がめちゃくちゃ好きだったんですけどついにショーも書かれるということでわくわくでした。
場面ごとのメッセージ性が強く、かつ彩凪翔くんがそれぞれの場面を繋ぐ役割をしている構成。なんか朝海ひかる舞風りら退団公演のタランテラ!(これもめちゃくちゃ、めちゃくちゃ、めちゃくちゃ、めっちゃくちゃ好きなショー)を思い出した。これもエキゾチックだしね。

登場時の望海さんがはっとほするほど美しくて、息が止まった。望海さんの登場時のひきつけ力はマジですごい。文字通り瞳に射抜かれるというか、こちらに有無を言わせぬ表情というか、なんていうんでしょう。息が止まる…
個人的にはオラオラ踊って客席のレディー達を釣りまくる!みたいなショーが好きなんですが、退団公演なのかそういうシーンは無く、綺麗にまとまってました。そうだよね退団公演で釣られたら亡霊になっちゃうもんね…
中詰めのあと、きぃちゃんがディスコ?のステージで歌い、その下で男役たちが躍るという場面があったんですけど、この曲がまたすんごい良かったです。ヒップホップみたいなラップ調の難しい歌をさらっと歌いあげて「ま、真彩希帆さま~~!」になっちゃった。かっこいい娘役、いいです…最高です…そしてここ、だいもんがチャイナ服を着てて最高にカッコイイです。

黒燕尾。シンプルな衣装でピシッと躍る姿、最高でした。もうほんと、有終の美って感じで…トップの退団公演って「鶴の恩返し」みたいだなっていつも思います。自分の羽で綺麗な着物を織るような感じで、全身全霊で舞台を作り上げてますよね(実際公演が進むにつれてどんどん痩せていくし)。無駄なものを全てそぎ落とした究極の美のようなものがありました。
同時にだいもんと翔くんの胸には退団者の白い花飾りがあって「あ~~本当に退団しちゃうんだ…」ってさみしくなったり…感情がもうぐちゃぐちゃでした。

デュエットダンスのだいきほが見つめ合う姿は、慈愛と幸福に満ち溢れていていました。もうすぐショーが終わってしまう寂しさももちろんあるんですが、それ以上に多幸感がすごかったです。
階段降りで劇場を見渡すだいもんの目が優しくて…思い出しただけで涙が出てきました。
本当に最高のショーでした。


<サヨナラショー>
ずっと感動していて記憶がない!!!
最後にファントムを歌うんですが…I'm Homeの歌詞とお二人の姿がリンクしてて、お二人とも目に涙を浮かべて、感情が歌に乗っていて、私はぼろ泣きしてしまいました。
夢がかなうってこういうことなんだなって…
AチームBチーム別れての公演でしたが、最後のサヨナラショーは組子全員でできて本当に良かったですね。ファンとしてとてもうれしいです。

緞帳の前でだいきほが「大好きです」合戦して、きほちゃん泣いちゃったの本当に可愛かった。いいトップコンビでしたね。
咲ちゃん、ひらめちゃんの新体制も楽しみです!久しぶりに宝塚みてめちゃくちゃときめいた…やっぱり宝塚は生涯学習なんだな。