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アニメやマンガの雑記ブログ

社会人3年目が見た劇場版SHIROBAKOの感想

私の一番大好きなアニメはSHIROBAKOです。
この度、この大好きな作品が劇場アニメになるということで公開をとても楽しみにしていました。

TVシリーズを振り返って

2014年、大学2年の時にSHIROBAKOと出会いました。
当時私は20歳、みゃーもりは21歳で一つ年上。みーちゃんと同い年。
そして私と同じく山形出身ということでキャラクター達にとても親近感を抱いていました。
短大を出て、制作一年目として翻弄しながらも一つずつ自分の仕事をこなすみゃーもり。物語の終盤では自分の実現したいこと、夢とは何かを考える姿にとても感動をしました。

半年に1回はSHIROBAKOを全話見直して考察をノートに書いたりしています。
就活の時、新社会人になって上京したとき、仕事に慣れてきたとき、部署が変わった時、自分の環境が変わるたびに毎回違う発見をしています。お仕事アニメだからかな?

劇場版をみて(※ネタバレあり)

作品が伝えたいメッセージって大抵ラストの方に持ってくるものが多いですよね。
SHIROBAKOは初っ端からぶつけてきます。というかラストまで名言何回あるんだろう。
(まだ1回しか見てないのであやふやです)
「やりたいことがあるなら、とにかくジタバタもがくしかない」
「やりたいことがあるなら、言葉に出して伝える。自信を持て、覚悟をしろ(縦尾先生の受け売り)」
「好きだから、だけじゃ駄目。自分がどうしたいのか、どうなりたいのかを考えなきゃ」

この言葉を聞くためだけに、日々をぼんやりとなんとなく過ごしている人たちにSHIROBAKOを見てもらいたい。
もちろんTVシリーズを見ている人間だからこそわかる言葉の重みもあるんですが…
とにかく、「今のままじゃ駄目だ」と最近悩んでいた私にはとても響きました。

書きたいことがありすぎてなかなかまとまらないので、ストーリー、キャラ、演出についてそれぞれ書きます。上手にまとめられるようになりたい。

ストーリーについて

三女から4年後。みんな夢に向かって突っ走っていると思いきや…荒れ放題のムサニ社屋、社用車はボロボロ、人がほぼいない…主人公のみゃーもりは繋げた事務椅子で寝ている限界描写。
元同僚やドーナツ仲間たちは他社で元気に活躍中。クリエイターはそもそも会社への帰属意識が低いと思うので他社に移るというのはそこまで重い事実ではないにしろ、「あぁ、もう元のムサニには戻れないのかな…」という絶望感がすごかったです。個人的に興津さんが非常勤になっているのが地味につらかった。総務を毎日やるほどの仕事量がないのか、お金がないのか…

そして過去の「ヒポポタマス制作中止騒動」へ。ひょうきんで優しかった丸川社長の険しい表情。作業を止めてください、と淡々と伝える姿の只事ではない感。

葛城さんからの一報で劇場版アニメSIVAを制作することになる武蔵野アニメーション
これからどーなっちゃうの!?!?

演出

前回までのあらすじはいろんなオマージュがあって楽しかった。クレヨンしんちゃんっぽい雰囲気もちょっとあったと思う。
序盤はずっと画面が暗くて、あれ、私本当にSHIROBAKO見に来たんだっけ…?となった。
人生、うまくいくことばっかりじゃないって突き付けられているような気がした。
突然のミュージカルシーンにちょっとびっくり(そういうアニメではないので)したけど、ここからガラッと雰囲気が変わった。
そうだよこれがいつものSHIROBAKOだよ!!
全体的に茶目っ気のある演出が多いというか「違和感のない意外な一面」みたいなものがたくさん見れた。あとは、今まで積み上げてきたものへのリスペクトがものすごく伝わってきた。

キャラクター

4年という重み
・アニメーション同好会
社会人も5年もやってると(私はまだ3年しかしてないけど)会社や業界の嫌なところ、現実が否応なしに突き付けられてきますよね。
みゃーもりはあの最低最悪のムサニの状況でも腐らず「プロデューサー」として頑張り続けたのが本当に素晴らしいと思いました。並大抵のことではありません。社長は「好きだから、じゃだめ」と言っていましたが、みゃーもりは「アニメが好きだから」できたのかなと思います。
みーちゃんはカナブンで後輩指導をするようになってました。中間管理職的な苦労をしている描写に「わかる~」となった人も多いのではないでしょうか。人には「向き不向き、得意不得意」があるというのが痛いほど伝わってきました。
絵麻は独立して作監の仕事をやるように。「全部で何カットくらい?おいちゃんがちゃんとスケジュール管理してくれるんだよね?」ってにっこりしてるのを見て、修羅場を潜り抜けてきたんだなぁ~とひしひし感じました。
ずかちゃんはある意味アイドル声優として着々仕事をしていってる時期。でも本人は声優として成長したい、役をつかみたいという夢を持っていました。人気商売でもあるからいろいろ難しいよね…でも、自分のなりたい姿を明確にしてチャレンジしていく姿がまぶしかった。
りーちゃんは新進気鋭の脚本家として活躍中。キャッチボール(物理)しながら舞茸さんの駄目だしに付き合ってる姿、商売敵宣言はぐっと来た。

・新キャラ・宮井さん
最初あやねるってわからなかった。美人百花とかMoreとかに出てきそうな今風の綺麗系OL(葛城さんの部下)。髪型やメイクの感じがすごいリアル寄りだと思った。宮井さんと焼肉行きたい。

・瀬川さんと遠藤さん、下柳さん
劇場版で楽しみだったのが、遠藤・瀬川の二人がどう絡んでくるかでした。遠藤さんは情熱的なタイプで外連味おじさんだから、一度挫折するとなかなか立ち直れなかったのかもね。瀬川さんも言ってたけど。瀬川さんが先輩なのはちょっとびっくり。同期とかかと思ってた。だからたまに遠藤さん恐縮するのか。瀬川さんは自宅作業のカジュアルな恰好のイメージだったから、ジャケット姿が新鮮で可愛かった。
下柳さんと話している遠藤さん、前より砕けた話し方になっててこの二人もイデポン事件の後仲良くなったんだなってわかる。下柳さんが遠藤さんのことサラっとべた褒めしててちょっとにやける。こういう人たまにいる。

・タローと平岡くん
タローは他社に移って演出をしていた。ムサニにいた頃も三女の次の作品でちらほら演出をやっていたらしい。やっぱりタロー大物だわ…
そして平岡もバディとして企画の持ち込みをしている…すごい…なんだこの二人…これが4年の歳月…
「やりたいことがあるなら、とにかくジタバタもがくしかない」ってね、平岡くんの言葉なんですよ。アラサーまでくすぶってた男がついに立ち上がりましたよ。かっこいい…
どう考えてもタローの存在があったからこその決意の表れだよね。破天荒で能天気なタローと、真面目で野心家な平岡はお互いいいように作用してこれからも伸びていくんだと思う…

・ナベP(ナベ長)
うわ~~~好き…TV版の頃は宮森のことを新人として気にかけている風の描写がいくつかあったけど、今回は社長とPとして、対等に接してる感がすごかった。二人ともかっこいい。
終盤カチコミに行った宮森を迎えるナベ長も素敵でした。変な話。

・丸川社長
TVシリーズでは監督や宮森を支えて、導いてきた存在。そんな社長も完璧ではなかった。
ヒポポタマスを契約締結前に着手したのも「アニメが好きで、いいものを作りたかったから」なんだと思う。でも、それではだめだった。だから宮森に「好きなだけじゃ駄目」って言ったのかな。宮森・監督・ナベ長はじめ、武蔵野アニメーションがSIVAを完成させたことで、社長も救われたと思う。TV版とは逆の構図になっているところに泣いた。

・木佐さん
相変わらず自転車乗ってて安心した。LOOKからCannondaleにバイクが変わってたね。部屋にホイール沢山転がっているのがサイクリストぽ~いと思った。(ボラワンぽかった)

まとめ

完結にまとめるとか無理でした。SHIROBAKO見た後は、ミスドでミルクティーとドーナツ食べて余韻に浸っていたよ。とにかく情報を整理しきれないので早速2回目を見に行こうと思います!!!