犬も歩けば好きに当たる

アニメやマンガの雑記ブログ

舞台『99-ナイティナイン-』を見てきたよ

観劇から一か月以上経ってしまいましたが、観劇ノートをもとに感想を書きます。
間違ってるところがあったらごめんね。

あらすじ

主人公・神木坂つばさ(田中涼星)は、子役時代に「中学生刑事(デカ)」という映画で脚光を浴びたスーパースターだった。しかし成長して仕事が減り、大学生となった今、その栄光は人々の記憶から消え始めている。

そんな中、つばさは傷害事件を起こして警察に捕まり、刑務所に収容されてしまう。皮肉にも刑事役を演じていた彼は真逆の立場に転落し、囚人番号「99」を背負うこととなってしまうのだった。

その先で、ある運命的な出会いが待っていた。

囚人たちを「犯罪者はクズだ」と日頃から厳しく罵り、“鬼刑務官”と恐れられる黒澤(稲垣成弥)。冷たく近寄りがたい印象の彼だが、実はつばさの熱狂的ファンであり、自身の高校生時代に「中学生刑事(デカ)」の影響を受けた人間だった。

そんな2人が、囚人99番と鬼刑務官として刑務所で巡り合うことに。お互いはもちろん、他の囚人や刑務官たち、果ては塀の外の人間たちに変化をもたらしてゆく。

(2.5ジゲン!!より引用)https://25jigen.jp/report/43083

いいね獄中もの!しかもコメディ!
この暗雲立ち込める世の中に必要なのはズバリ、笑いである。

友達の推しが出演していて「チケット余ってるので良かったらいかない?」と誘われて行ってまいりました。

当日

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数年ぶりに博品館劇場に来ました。博品館劇場のこぢんまりとした柔らかい雰囲気…すき屋
東京宝塚劇場の赤い絨毯×シャンデリアの煌びやかエントランスも夢が合って大好きですがこういう小劇場のあったかい雰囲気もいいよね。
数年間劇場に足を運んでなかったので、劇場来れたという事実だけでテンションがめちゃくちゃ上がった。

感想

もうとにかくね、コミカルとシリアスのバランスが最高でした!シリアスな笑い、コミカルな笑い、そして感動と爽快感! ガッツリ殺陣を見れたのも嬉しかったです。シリアスな笑い大好き。

刑務所の鬼刑務官・黒澤(稲垣成弥)キツーくしごかれる受刑者たち。ある日新入りとして入所してきたのは『中学生刑事(デカ)』というドラマに出演していた天才子役の主人公・神木坂つばさ田中涼星)。画面の中で活躍していたような覇気は無く、うつむきがちです(そりゃ笑顔で入所する人はいないだろうが)。作業所に入るよう促されると「ぼくは…」と何かを言いかけますが、その言葉は遮られます。

黒澤のモットーは「指導ではなく粛清」。その厳しさは職員のみならず法務局で知られるほど有名。そんな彼なのに新入りのつばさには異様に優しく、丁寧に接します(刑務官が受刑者に「お茶とジュース、どっちがいい?」って聞くな)。なんと黒澤はつばさのファンだったのです!
その様子がいかにもコミカルで楽しい。優しい黒澤の様子にビビる受刑者たち4名の反応が面白い。

この時点でつばさが入所してきた理由は具体的に語られておらず、「傷害罪」という罪状しか分かりません。つばさの煮え切らない態度からして何かある? とワクワクしますね!!
この鬼刑務官黒澤、とにかく足が長い。足が、ながーい。オールバックの黒髪がかっこいい。声がいい。サディストっぽい目線や笑い方がいい。すべてがいい。カッコイイの極み(テニスの必殺技?)
気弱な刑務所長の靴が茶色で黒澤の靴が真っ黒の革靴っていうのも良かったです。舞台機構も格子状のセットで、刑務所っぽい雰囲気が出ていました。

そして場面が変わり、何故か煌びやかな照明の中でダンスを踊る受刑者たち。そう、これも職業訓練の一環――もとい、つばさを銀幕の世界へ返すための黒澤の計画でした。
受刑者と打ち解けてにこやかな笑顔をみせるつばさがかわいい。爽やか好青年です。さすが田中涼星。
そして響く滝沢刑務官の美声…ここは帝劇?(コメの舞台を先日配信で見ましたが、そちらでも岡さんがレミゼっぽい何かを歌っていましたね)

お次は殺陣の稽古…だったのですが、つばさは拒否反応を示します。
それもそのはず、その殺陣講師はつばさの知り合い。しかも出演予定の映画で殺陣指導をしていた先生でした(その映画はつばさの逮捕によっておじゃんになりました)。つばさは必死に謝罪。その悲痛な姿を見た黒澤は、事情を知らなかったとはいえ酷なことをしたと謝ります。

その頃受刑者の双子の兄弟(ジャーナリスト)がつばさの入局を追って取材を試みます。
つばさの罪に迫るわけですね。
そしていよいよつばさが打ち明けます。「僕は何もやっていない!僕は何の罪で逮捕されたんですか」と。
勿論つばさは傷害罪で実刑判決を受けました。しかし、つばさにはアリバイがなく、ある日突然逮捕されたというのです。
~以下逮捕までの回想シーン~
ここの回想シーンがめっちゃ面白かったです(チャラい同級生、雨の夜、警察に連行されるツバサのテレビ映像の再現(ここ心の中で大爆笑))。つばさは冤罪逮捕だったのです。

泣きそうになってるつばさ、かわいい(かわいそうでかわいい党の人間なので)。健気なんだよなぁどこまでも。
軽い傷害で実刑5年(執行猶予無し)というのがいかにも仕組まれた感じがしてウケた。

刑務局長の不正、冤罪を暴こうとする受刑者たち、獄中映画の撮影が絡み合い、バトル(殺陣)へ!!
この後半のテンポ感が最高でした。
悪を成敗するときの台詞がなんと、中学生刑事のキメ台詞という演出もにくいですね。悪をくじく神木つばさかっこよすぎる。
エピローグがプロローグを踏襲する、という演出方法、王道っぽくて大好きです!!!大円団!!!

そして銀幕へ舞い戻ったつばさが刑務所に慰問に訪れ幕。受刑者姿のときはダボダボの服で猫背がちだったのが、カッコイイライダー姿になって登場。ほそい!足が長い!足が、ながーい!キラキラ好青年。
つばさに再開した刑務官や受刑者たちが嬉しそうで、ハッピーになれました。

総括

やっぱり生の舞台は…いい!!!!!!!
役者さんの息遣いだったり表情だったり、熱がダイレクトに伝わってくる。
最近はエンタメと言えば映画ばかり見る生活だったため、舞台ならではの演出を沢山見ることが出来て本当に感激しました(照明、舞台装置による場面転換、音楽etc)。

上には詳しく書けませんでしたが4人の受刑者仲間がそれぞれ個性があっておもしろいんですよね。物語のキーにもなるし、コミカルに場を回して盛り上げ役にもなるし。

脚本も演出も、何より役者さんたちの演技も熱く、大満足の観劇となりました。
思わず笑みがこぼれる作品で、とても元気が出ました。気持ちが塞ぐ日々ですが、とてもリフレッシュできた~!



次の観劇予定はズバリ東宝の「ロミオ&ジュリエット」です。こちらも無事開催されますように。
忘れもしない2013年。シアターオーブで見た城田優のロミオ…かっこよすぎた!!!!!
星組のも見たかったよ~