犬も歩けば好きに当たる

アニメやマンガの雑記ブログ

「N/A」で感じたズレと違和感

年森瑛「N/A」の話をしていいですか?

2回目を読み終わった。本当に面白い。
親友でもなく、恋人でもない「かけがえのない他人」=「がまくんとかえるくんや、ぐりとぐらのような、お互いの中だけにある文脈を育んだ、二人だけの唯一の時間が流れる関係性」に憧れる主人公をとりまく人間との物語。この物語では多くのズレと違和感が描かれている。そのズレは主人公のまどかから見たズレであり、他者からは理解されない。寄せられる言葉はまどか自身に向けられるのではなく、「まどかに当てはまるだろう属性」へむけられる「定型文」ばかり。そんなやりとりが続くため、まどかは「これ以上言っても無駄」だとばかりに、自分にあてはめられた記号のなかで自分が傷つかないよう条件反射的に、外界に自分を最適化した振る舞いをする。

そんな主人公の感じた違和感とズレを内容を整理するような形で、自分の感想をまとめていきます。


「Sea」への違和感

SeaはうみちゃんのHNです。「会うたびに好きになる」「あどけない寝顔に泣いてしまった」「同じものを食べて、一緒にわらって、同じお布団でねむれるだけでいいのに、難しい」というポエミー・意味ありげな投稿。フォロワーからチヤホヤされたいがための投稿にも見える。リアルでは「私と付き合ったら絶対面白い」としか言われず、具体的な好意は作中では描写されていない。女子高で周囲に王子様として担がれたのと同じように、うみちゃんもまた「中性的なまどかの体」を利用したのではないか?と勘ぐってしまう。「パートナーさんが身バレしました」という理由でSNSに鍵をかけたときも「嬉しい言葉を贈ってくれたフォロワーさんに申し訳ない」と言っていたし。(L)GBTの象徴になりたかったのかもしれない。この時点ではまどかを通した自分がすきなんじゃん、と思った。

まどかがこんな風に思ったのか分からないけど、きっとそれに似た気持ち悪さ(≒作られた自分へのうみちゃん・フォロワーからの崇拝にも似た感情)を感じ取って、一気にうみちゃんが無理になってしまったのかなと思いました。結局、人間「誤解される/分かってもらえない」のが一番つらいんだろうなと思った。
でも、「同じものを食べて、一緒にわらって、同じお布団でねむれるだけでいいのに」という願いはまどかの憧れる「かけがえのない他人」に望むものと近い願いであり、違いと言えば「恋愛感情の有無」くらいなのも、ちょっと皮肉なものだと思った。

他者→まどかへの誤解

母親からの誤解

まどかは「生理を止めるために食べない」のに、母親は「食べないから生理が来ない」と思っている。つまり母親が解決したいのは拒食。だから瘦せぎすな体について触れずに「(生理は)内臓のことだから、心配だよ」と声を掛けたりする。まどかは保健室の先生から「生理は汚くない」「生理は恥ずかしいことではない」と言われたようだし、母親もおそらくそのことを知っているだろう。「まどかが生理を嫌悪している」ことは何となくは知っている(だろう)からこそ、まどかは真にわかってもらえないことにがっかりしているのかもしれない。

うみちゃんからの誤解

まどかが「別れて」と言ったのは、LGBTに対する社会の抑圧に負けたからだとみなしている(別れたくなった原因がうみちゃん自身でなく、社会にある)

「うみちゃんの後ろにはいっぱい『仲間』がいてうみちゃの輪郭とまざりあってる」「自分はやっぱりだれとも属せず、ひとりぼっち」「うみちゃんは自分のことをわかってくれない」と察知した瞬間、明確に相手を傷つける言葉を選び、相手を突き放すまどか。この0か1かの思考、めちゃくちゃわかる。「高校生だとまだわからないかもしれないけどこういうところで人間性が出てしまうから気を付けた方がいいよ」ってめちゃくちゃブーメランなんだよな…うみちゃんはそれを言われると自分が傷つくから、まどかにダメージを与えるためにぶつけている。悪口は自分の鏡…

フォロワー→「Seaのパートナーさんとしてのまどか」への誤解

うみちゃんのフィルターを通した自分が「パートナーさん(まどか)」として固定されている。まどか的には全然納得がいかない。ぐりとぐらみたいな関係じゃないのに、勝手に理想像にしないでほしいと思っている。

これはなぁ…いい部分だけを無断で切り取られて、勝手に神格化されるのは気持ち悪さしかないよね。

翼沙からの誤解

めちゃくちゃ配慮しながら「まどか=LGBT」の想定で話をしている。まどかは「かけがえのない他人」が欲しいのであってLGBTではない。

でも個人的には翼沙の対応が一番誠意があったと思う。「もしちがったら忘れてほしい」と前置きしながら、「無断でSNSに写真を上げられてるかもしれない」とものすごく申し訳なさそうに、かつかなり心配そうにSeaのアカウントについて教えてくれたのだから。このまま晒され続けていたら怖いことになっていたかもしれない。後述するが、教師からの叱責への態度も、オジロ(友人)への態度も、毅然としていて、芯があって、かっこよかった。

まどか→他者への誤解

うみちゃんへの誤解

「うみちゃんが自分とヨリを戻したがっている」と思い込み、追いかけてくるうみちゃんによそよそしくしたり「ヨリを戻すとかないですから」と告げたりした。うみちゃんに「そんなわけないじゃん」と一喝されたまどかは、自分が愛されるべき対象であると思い込んでいたことに恥ずかしくなったんじゃないかな。

誤解…かもしれない

・祖母の心配はこころからまどかを心配したもの
・叔母と母は単なる親戚同士で「ぐりとぐら」のような関係とまではいかない



作中で誤解・配慮され続けたまどかだったが、まどかもまた、「親族がコロナに罹患した友達」へ配慮しようとする。しかし、その手立てが分からず配慮の言葉を探そうとするが、検索でヒットする定型文は保守しか生まず、革命を起こせないことを気づく。主人公が保守される側から革命を起こそうとする側にまわろうとするが、何もできずに終わるのがいいですね。自分に起きたかけた革命(うみちゃんに別れを告げる)に対しては光の速さで守りに入れたのに、それが出来ない。うみちゃんとの再会しかり、ラストで自分がいちばん他人を属性で見ていたことに気づくのがいいですね。私はここの翼沙の「検索に頼らずに、自分の気持ちを正直に伝える姿勢」にぐっときました。


ラストの早口でしゃべるうみちゃんについて

いままで「恋人」として接していたうみちゃんは「まどか用のうみちゃん」だったのかもしれないし、まだうみちゃんに恋している気持ちを隠すための強がりのあらわれかもしれないが、まどかにも、読者にもそれを知る由もない。



このように作中ではズレと違和感がたくさん描かれてきました。しかし、ズレを感じているのは恐らくまどかだけではありません。友達も、家族も、外界とのズレを認識していて、そんななかで傷つかないように、傷つけないように、時には感情を飲み込みながらうまくやっているわけです。その折り合いの付かなさと諦念が全体を通して漂っているようでした。その光景を俯瞰してみていると、まどかが抱えているしんどさも特別なものではなくてもしかしたらありふれたものなのかもしれないのかも、と思いました。そのやるせなさを感じるのは曲げられない信念を持っているという事実の裏返しなのかもしれません。

タイトルの「N/A」は該当なし(not applicable)を意味する略語。拒食症の女の子にも、LGBTにも、どこにも属さないまどかの拒絶を表す一方で、属性の枠組みから外れた「かけがえのない他人」への希望、そして定型文を探そうとして見つけられなかったまどかをまどか自身に突き付ける名タイトルだなと思いました。


個人的な感情の話をすると、自分が「恋人に内緒で恋人の一部を移りこませた写真をSNSにアップする人」が無理なので初読からうみちゃんを「あっヤなやつだ」と思った。作中を通して女子高しぐさの描写がうまい。「(人前で)血を流すとはずかしい、それで優しくされるのはもっと恥ずかしい」恐らく多くの人が感じたことのある感情を見事に言語化してる。

この話を読んで、まどかをアロマンティックやアセクシャルとカテゴライズするのはナンセンスだと思う。この話の本質はそこではない。
日々感じている小さな諦念の、根底にある信念を深く自覚するようなそんな話だった。とにかく面白いのでぜひ一読を。

【加賀楓卒コン感想】モーニング娘。'22 25th ANNIVERSARY CONCERT TOUR ~SINGIN TO THE BEAT~加賀楓卒業スペシャルをみてきた

加賀楓さんの卒業コンサートに行ってきました。


全体的な感想

ほとばしるように熱く、多幸感の溢れるライブでした。いい意味で加賀さん本人のふるまいに特別感が無く、さわやかに美しく卒業されていきました。まさに有終の美。加賀さんソロのGive me 愛では持ち味の高音域の歌声とダンスが披露され、ラストは全員でAmbitious!野心的でいいじゃん。加賀さんが抜けたあとのモーニング娘。は大丈夫だし、加賀さんも大丈夫だし、みんなそれぞれ羽ばたくんだなという気持ちになりました。開演直前まで、「今日で加賀さんが卒業するのか…見たら終わっちゃうのか」としんみりした気持ちになっていましたが、会場を出る頃にはすごく元気な気持ちに変わっていました。もちろん加賀さんが辞めてしまうことはさみしいのですが、ここが終わりではなく通過点なんだ、と思うことができました。


メドレー間の石田/加賀のダンスが今まで見たダンスの中でダントツでした。唯一無二の正確なダンスに卒業公演の本番というグルーヴ感が加わり、魅力が沢山つまったしなやかで力強いダンスとなっていました。二人がそれぞれ自分の魅力を出し切って、かつお互いの良さを引きたてあって、この二人にしか出せないきらめきを放っていました。私はあの光景は一生忘れないでしょう。
武道館公演を生で見ること自体がかなり久々でしたが、演出にも進化を感じました。照明がすごい。私は2階スタンドから見たのですが、下から煽るような照明が綺麗で、レーザービームのような明るい鋭い光が床に当たると、スパンコールみたいにキラッと光るんです。とてもきれいでした。

そして卒業のドレスは…パンツスーツスタイルでしたね。自分の予想は真っ赤な片脚の出るドレスか黒いパンツスタイルだったので、予想が当たってうれしい。そして何より、足が!!長い!!!!黒いビジューがついたスタイリッシュなデザインで、飾らない彼女にぴったりでした…この衣装で踊るGive me 愛は最高でした…

それにしても、加賀さんはメンバーにとても愛されていましたね。あいさつ中目に涙を貯めていたメンバーも多かったです。何より横山さんの「加賀が同期でよかった」に全てが詰まっている気がします。
欲を言えばもっと彼女の振り付けを見たかったし、歌をききたかった!本人もブログで歌割について語っていて、すごく切なくなりました。レコーディング映像を見てもすごく上手い(特に高音域が)し、これで歌割来ない意味が分からない(最近は増えつつありましたが)と思っていましたが、そりゃ本人が一番悔しいよね。かえでぃーは卒業の道を選びました。これからもっと広い世界にむかって羽ばたいていくんだろうなと思います。



曲ごとの感想をかいつまんで

ハロプロ研修生’22・OCHA NOMAのオープニングアクト

う~ん北原ももさんがかわいい。運命~よりウチらの地元~の方が好きだったのでちょっと残念だったけど生で見られてうれしい。そして松原ユリヤさんモーニング娘。入ってほしさあるなぁ…絶対かっこいいよ。ハロプロ界のラウールになれる。

オープニング~M1そうだ!We’re ALIVE(updated)

メンバー一人一人の紹介はせずにいきなりウィアラ!オープニングは出演者がひとりひとり登場するものだという思い込みがあったのでびっくり。加賀さんをはさんで並ぶメンバー、そしてひとりかっこよくポーズを決める加賀さん。そしてはじまるウィアラ。最初からクライマックスとはこのこと。「平凡なわたしにだってできるはず」のらいりーが熱い。

アニバーサリーメドレー

全員のデビュー曲メドレー。'22のみんながピョコピョコウルトラ歌うの可愛かった!!ほわほわあどけなかったあゆみんがこんなにきれいなお姉さんになって…という感動もあった。ブランニューの入りは本当に最高だった。13期の真剣そのもの顔、綺麗にそろった全員の隊列…KOKORO&KARADAも改めていい曲だなと思った。静かに秘める情熱

M8 忘れらんない(小田/横山)

新鮮な組み合わせ。小田と横山、めちゃくちゃ合うじゃん…小田は相変わらずセクシー&横山はキュート。でもそれだけじゃなくて、それぞれが持つウエットな部分がこの曲とマッチしていた。「健気で一生懸命だけど、内心遊ばれてたのわかってる」みたいな横山のウエットさ、「余裕ぶったふりをしてみたけど、全然あきらめきれない」みたいな小田のウエットさ。いい。身長も小さい同士で並ぶとかわいかった。

M9 Take off is now(石田/加賀/岡村)

石田、加賀ときて岡村が選ばれたのエモすぎる。昔のつんく曲特有のグルーヴィーな感じが最高。ふたりについて行こうとするほまれがかっこいい。三人三様のスタイリッシュさがある。

M11 大きい瞳(牧野/芳賀/北川)

めちゃくちゃコールを入れたい衝動に駆られる。発声禁止なのでその分手を叩き、ペンライトをふる。まりあが張り切っててかわいかった。

M16 ビートの惑星

まーちゃん卒コンの時も思ったけど、相変わらず切ない明るさがすごい曲だ。落ちサビ前のかえでぃーのフェイクは相変わらず最高でした。今日で最後なんだ…と切なくなった。

M18 ドッカ~ン カプリッチオ

‘19秋のメドレーに入っていて好きなので、単体で歌ってくれてうれしい!ドッカ~ンと行くぜでペンライトをドッカンできてうれしい。

M20 歩いてる

この曲を聞きながら、加賀楓さんのいるモーニング娘。を追いかけてきてよかったと思ったし、最後自分の目で卒業を見届けられてよかったと心底思いました。


本当にかっこよくて熱いコンサートでした。加賀楓さん、モーニング娘。でいてくれてありがとう。

井上陽水の好きな歌詞あげてくぜ!

ただ好きな歌詞を上げていくだけの記事です。
シュールでリアルな井上陽水の世界が大好きだ!!!!


①比喩編

目覚まし時計は母親みたいで心が通わず
たよりの自分は睡眠不足で
―『東へ西へ』

心が通わないものの象徴として母親を上げてさらっと歌っているのがすごい。朝、死ぬほど眠いのにけたたましく鳴る目覚まし時計のうっとおしさがこの一文で伝わってくる。

ベッドの中で魚になったあと
川に浮かんだプールでひと泳ぎ
―『リバーサイドホテル』

村上春樹作品にも似た雰囲気がある。
川に浮かんだプールでひと泳ぎもよく考えれば(?)なんだが、遊泳できるくらいに大きく穏やかな川なんだと分かる。


街は静かに眠りを続けて
口癖ぐせのような夢を見ている
―『帰れない二人』

寒い夜のどこにも行けない二人の歌なんですが、この夢は街の夢なのか、それとも二人の夢なのか。口癖のような夢っていうくらいだから何度も繰り返し口にしていたんだろう。そんな現実味の無い現実がそこにある。

やさしさがこわれた海の色はたとえようもなくて悲しい
―『つめたい部屋の世界地図』

たとえようもないほど悲しい気持ちにただ浸っている主人公。船の旅について歌ってるが、そもそも主人公は海に想いを馳せているだけで、つめたい部屋にただひとりで佇んでいるだけなのかもしれない。

②王道編

人を傷つけたいな 誰か傷つけたいな
だけどできない理由はやっぱりただ自分が怖いだけなんだな
―『氷の世界』

「氷の世界」の前半はまるで薬を飲んで幻覚を見ているかのような世界観なんですが、後半から現実の世界にグッとピントが合います。人を傷つけたいけどできないのは自分が怖いだけというだれもが持ちうる気持ちの心理


ダンスはうまく踊れない あまり夢中になれなくて
猫は足もとで踊り 私それを眺めてる
―『ダンスはうまく踊れない』

猫が足で絡んでくる様子をダンスに見立てている
おそらくひとり静かに佇んでいる様子がありありと伝わってくる



③言葉遊び編

誰も知らない夜明けが明けたとき
部屋のドアは金属のメタルで
ホテルはリバーサイド 川沿いリバーサイド
―『リバーサイドホテル』

繰り返しの美学。「夜明けが明ける」「金属のメタル」「川沿いリバーサイド」見たものを見たまま歌うような歌詞。いい

初めての口紅の唇の色に
恥じらいを気づかせる大人びた世界
―『make-up shadow』

見事に韻を踏んでいる!
Hajimeteno Kuchibino Kuchibiruno ironi
Hajiraiwo Kizukaseru Otonabita Sekai


そのまま もそ もそ も もそっとおいで
はしからはしのたもとお嬢さんたち
友達さそ さそ さ さそっておいで
すずしい顔のお兄さんたち
―『なぜか上海』

これぞ音で遊ぶって感じだ。もそっとおいでって「もうそっとおいで」とかいろいろ捉えられるけど「もそっとおいで」って書いてい有るから「もそっとおいで」なんだろう。「はしからはしのたもと」でもきっちり韻踏んでるし…職人の技が光る。なぜか上海ホントに好きだ。


④もう何が何だかわからんがいいぞ編

神無月に僕はかこまれて
口笛ふくそれはこだまする
―『神無月にかこまれて』

神無月=10月だが、まん丸のお月様が複数あってそのなかにひとりたっているような、夢の中にいる気持ちになる。もうすぐ冬になってしまう…という秋の焦燥感が感じられる。

パンクナイトに見とれてるうちに
女は俺の横に滑り込み
スーツケースにはみ出た下着で
俺の視線の行く先を調べた
―『Just Fit』

アルバム「ガイドのいない夜」を象徴するような一曲。俗っぽさとニヒルっぽさが共存している。

おそらく決まりはないが
一言あなたに言おう 楽しいヨ罪のないことは
―『勝者としてのペガサス』

た~のしいよ~…の歌いかたがどうにも怪しく誘いかけてくる感じがして、罪のないことってほんとぉ? という気持ちになる。勝者としてのペガサス、ペガサス=明るいイメージがあるが、戦いは「勝った方が勝者」になるので色々邪推してしまう。つまり『勝者としての』とつくと途端に悪者っぽいイメージになる。それも含めこの歌詞が好き

恋の形は11(イレブン)
すべてのはじめはHeaven
誰にでも必ずね 恋の形を数えあげたら11
―『11-イレブン-』

1人と1人ということなのか? こまけぇこたぁ(略)それに続き「恋とはすべての星座のひとつだけが欠けたもの」というのもロマンチック。

ほかにも『My House』とか『アジアの純真』とかいろいろあるんだけど、ありすぎて書ききれねぇ!

番外編:非・作詞:井上陽水の楽曲

縁起の悪い夜蜘蛛のせいじゃなく
自粛していたこの関係
ソファベッドがミシミシときしんだ音が
他人を想像(おも)わせる
―『ストイック』

こちらは秋元康の作詞。「ソ」「ファ」「ミ」「シ」で音階になってるぞ…!ファンクな曲調とあやしい曲調がいい。歌謡曲っぽさと陽水のかろやかさが見事に融合している。



ということで、井上陽水はいいぞ!(大声)

スカイツリーのジョジョコラボ! JOJOTREEに行ってきたァァーッ!!

スカイツリージョジョコラボ!?行きたい…ッ!

ということで行ってきました!!!!

実は私、スカイツリー童貞。ソラマチには数回訪れたことがありますが、展望デッキのチケット代に慄いて一度も上には登ったことが無いのでした。それもこれも、この日のためだったのか…と思うほど魅力的なコラボ。すべてを『新鮮』な気持ちで『享受』できる…ッ!ありがてぇことじゃあねぇか。

行ったのは7月頭。例年なら梅雨の終わりごろなので、果たして景色は見れるだろうか…と不安になっていたが、なんと2022年は史上最速で梅雨が終わった。当日もバッチリ晴れていましたよ。

まずは350mの展望デッキへ。エレベーターはほぼほぼ一瞬で移動。スタンド攻撃を受けているのか?と思うほど早かった。

まずは普通にスカイツリーからの展望を楽しむッ!高いッ!!東京タワーの比じゃあねぇ!

夏!って感じの天気なので若干モヤモヤしている。白っぽく見えるのは東京ドーム。
辺りを見下ろすっつーかよぉー…浮いてるカンジだよなぁ。心無しか空が近いような気がするぜ。うーん楽しい!!

ちなみに展望デッキでは展示は無し。この上でやってるよ!って感じの装飾があった。

そして天望回廊へ向かうエレベーターは『上昇』するッ!!エレベーター内は「バアアアァァン」とデカデカと書かれている。COOL!
エレベーターが上昇している間に乗客が消える…なんてことはなく、ジョジョのお馴染みの音楽に合わせてスゥゥゥーッと上昇。本当に静かで速い。ワクワクが止まらない。

そしていよいよジョジョの展示ゾーンへ!

バァァァ~~ン!!
テンパって完成度が低くなってしまいましたが、渾身のキラークイーンでっす!



こんな風にずらりと展示されるとジョースターの血筋の歴史、「ジョジョ」という作品の歴史を感じる…最高に「ハイ!」ってヤツだアアアアアハハハハハハーッ


天望回廊の展示を見るのに夢中で外の景色をそこまで見ていない(笑)
100メートルの「景色」の差は正直そんなに分からなかったが、丸く張り出してぐるりと登ってく感じはとても楽しかった。

祭壇みたいなのもあったッ!

ジョジョで一番好きなセリフッ!!あしたっていまさッ!

他にもフィギュアがたくさん展示されていた。『観る』ッ!ねんどろいどプロシュート兄貴がかわいかった。そして写真には撮れなかったが今年の冬に放送されていた6部の展示も!


めちゃくちゃ楽しかった〜!!!!
今度はレストランで食事してみたいなぁ。

令和から井上陽水にハマったので「Make-up Shadow」について語る

皆さん井上陽水、好きですか?
私は大好きです。


ハマったきっかけ

ぶっちゃけ今まで少年時代と女神しか知らなかったのですが、トリビュート・アルバム「井上陽水トリビュート」でKing Gnuが歌う「飾りじゃないのよ涙は」に心を奪われ、いろいろ辿っていくうちに「傘がない」「帰れないふたり」にたどり着き、映画『鳩の撃退法』でKIRINJI・堀込高樹氏が「氷の世界」をカバーしたことで井上陽水の世界にさらに深く身を沈めることとなりました。

ちなみにこの冬はセルフカバーアルバム「9.5カラット」のリピートが止まらなくて、暇さえあれば9.5カラットに輝いていた(私が)
そして最近は「Make-up Shadow」が特にお気に入り。今日はそんなMake-up Shadowについて語っていこうと思います。
www.youtube.com

Make-up Shadowのすごさ

私は音楽理論をきちんと勉強していないのでただの感想にすぎませんが、とにかくすごいので語らせてくれや。

サウンドがすごい

バンドサウンドテクノポップのような要素が散りばめられているのがすごい(陽水の曲はシンセの使い方うまいですよね)。ちなみにリリースは1993年。今聞いても古さを全く感じない。
個人的にシンバルの使い方が秀逸だな、と思う。目立ちはしないけどお洒落に脇を固めてるというか...出だしの軽快なスプラッシュシンバルがまず爽やか。サビの後ろでシャーシャーなってるハイハットがかっこいい。

そしてなんといっても転調!!!!!転調がすごいのよ。
BメロからコードがFマイナーからA♭メジャーに変わって(+3)聞き手がいっきに物語の中に引き込る。で、またF#メジャーにまた転調(-2)、そしてサビでもとのちFマイナーに戻る(-1)揺さぶられっぱなしですわ...でも調声が元に戻るから謎の解決感とスッキリ感がありテンションがあがる。

「なにかが今日はリアルでシュールな」←ここのメロディライン、サビの出だしとしてはけして派手なものではないのだけれど、ひとつひとつ着実に階段を踏みしめるような雰囲気がいい。
あと、「メイクアップシャドウ×2」のところで鳴ってるカッティングがめちゃくちゃかっこいい。そして後に残る、シャドウ(影)の名を体現するかのような余韻はなんだんだろう。全体にふんわりかかってるリバーブのせいだろうか。とにかくいい。

歌詞がすごい

(歌い出し)

はじめての
くちべにの
くちびるのいろに
はじらいを
きづかせる
おとなびたせかい

韻を踏んでるというか、音で遊んでる感がすごい。聞いていて気持ちいい。
はじめての(aieeo)とはじらいを(aiaio)で母音が違うからメロディーを当ててるのも芸が細かい。子音もHとKで合わせて最後「おとなびた(O)」で解放させるのがもう最高。
その後も言葉遊びのような音が並んでいて耳が心地よい(歌詞と同時に、言葉の「音」で楽しむ感じ)

失踪感のあるサウンドでありながらも、歌詞の内容は初めて口紅をつけた少女のドキドキした気持ちと、夢みる世界への憧れ、背伸びする様子が描かれていて、その対比がなんともいい。

この前カラオケで歌ってみたんですが、難しくてなかなか歌えず、井上陽水は我々が歌う音楽じゃなくて「鑑賞する」音楽に近いのかもと思った。(KIRINJI,川谷絵音の楽曲,FISHMANSあたりにも同じことを思っている)
彼の声って楽器みたいですよね。

私の語彙や知識では魅力のすべてを伝えきることができないので、まずは聞いてみてください。



最近、「俺の心に寄り添ってくれるのは陽水だけだ…」になりつつある。それくらい歌のパワーがすごい。
井上陽水……いつまでも元気で健康であれ……

ひなフェス2022に行ってきた!

4月2日、3日に開催されましたひなフェス2022に行ってきました!!!!

私は
・Juice=Juiceプレミアム
モーニング娘。'22プレミアム
の2公演を見てきました。


感想

楽しかった~~~~~~~!!!!!ハロプロ最高!!!
とにかくハロープロジェクト全員が勢ぞろいするのを生で見られるのが最高。
いきなりラストの話になって申し訳ないけど、一直線の花道にずらっとメンバーが並んでるの壮観すぎる。幕張まで甲斐あった…!って感じ
ただ、この時期パイプ椅子に3時間近く座りっぱなしだと流石に少し寒かった。

Juice=Juiceプレミアム

たこちゃんと!!れいれいが!!!いい!!!!!!

タコちゃんのハーフツインめっちゃいい。
歌もすごいガンガン引っ張ってってくれる感じで…まなかん抜けたあと高音で入りそうな雰囲気を感じた。遠目で見てても「あ!タコちゃんいる!」てすぐ分かるくらいガンガン踊るし…最高です。

そして新曲のれいれいのボイパがめちゃかっこよかった。
れいれいの声は柔らか系だけど、パワーがあるというか、他のメンバーに力負けしないのがすごい。

そしてなんといっても段原瑠々さんが素晴らしかったです。
ダンスも歌も完璧。さゆきが抜けてフェイク担当みたいになりつつありますね。このままどっしり構えててください。

~ソロ&シャッフルユニット~

ソロのちぇるがめちゃくちゃかっこよかった!曲もすごく合っている。
ソロフェス!のプロデュースでも思ったけど、ちぇるはプロデュース力が素晴らしいな。

デュオは川名凜ちゃんと広本瑠璃ちゃんのThe摩天楼ショー。私はモーニングの曲で摩天楼ショーが一番好きなので超うれしかった~!!


カバーコーナーではアンジュルムの「裸の裸の裸のKISS」がすごい…良かったですね。
愛・魔性でも「アンジュのスパニッシュいい~…」って思ってたので、私得だった。

最後は「ひとそれ」で締め。
段原瑠々さんの歌い出しかっこよすぎて惚れた…喉からCD音源以上とはこのこと。すべてが最高すぎて多幸感で泣きそうだった。


モーニング娘。'22プレミアム

新曲「Chu Chu Chu 僕らの時代」良すぎん…?
ふくちゃんの持ってる悲しさとすごく合ってる。スルメ曲間違いない。
「大・人生 Never Been Better!」も明るいけど切ない…前回の曲でよかった。

~ソロ&シャッフルユニット~

きしもんのFOREVER LOVEめっちゃかっこよかった…かっこよかった。
ほまたん・あーりー・きしもんは「かわいい・セクシー・かっこいい」のバランスがすごい良くて

Juice=Juice の「愛して 愛して 後一分」の貫禄すごくなかったですか?!最高でした。

最後は「青春Night」で締め。
会場に行く道中ずっと青春Night聞いていたので嬉しい。



その他感想
つばきはやっぱり…浅倉樹々ちゃんが好き!「三回目のデート神話」最高。ゾクゾクした。
ビヨは全員が安定して歌上手いのですごいですね。「笑って!ショパン先輩」で小林萌花ちゃんのピアノを生で聞けて感動しました。そしてみんなキャラが立っており…聞いていてとても楽しかったです。
あとOCHA NORMAのメンカラ衣装ありがたい。最近メンカラ衣装なかなかないから見てて楽しい。ワンポイントくらいだとくどくなくていいね。


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春のハローピザ!
マヨの風味がめっちゃ美味しかった。出来立てで餅がモチモチだったのがうれしい。お代わりしたかった。

泊まれる本屋に行った

BOOK AND BED SHINJUKUに泊まってきました。

いつか泊まりたいな…と思っていましたが、近所すぎて行かず。
そして迎える三連休。予定は特に…なし。じゃあ行くなら今でしょ!と思い立ち行ってきた。

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たくさん雑誌がある。もちろん一般書籍も。

16時にチェックイン。デイタイム利用の人で混雑しててソファ席にには座れなかった。
なんか…めちゃくちゃうるさい…お前ら本読みにきてんじゃないのか!?!?
まじで最近思うんだけどブックカフェで同行者と話しながらスマホ擦ってるだけのひと多すぎない?わざわざブックカフェきてスマホ見るとか、お金勿体なくない?まあ私には関係ないからいいんだけどさ…

本も思ったよりは少なかった。けれど、たくさんあったところで全部目を通せるわけではないのでそれは別にいい。パッと見グラフィックアートと雑誌(ブルータス、ポパイとかそこらへん)が多めなのか?と思いきや人文や旅行記、写真集なんかも結構あった。漫画は思ったより少なめ。

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そして店内のBGMも微妙にうるさいので、ノイズキャンセリングのイヤホンをしてベッドで本を読む。秘密基地感がいいですね。金庫がついてるのも嬉しい。
マットレスは薄め。今まで数々のカプセルホテルに泊まってきたが中でダントツ寝にくい。これは断言できる。

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「宿」だと思うとうーん…だが、今回は寝ることを目的としてきたのではない。本を読むのが目的なのだ。横になれる満喫だと思うと断然満足度が上がった。そしてなんといっても素泊まり3000円である。私が地方から遠征できた学生だったら毎回泊っていたに違いない。

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早めに夕食。外に出てにいむらのとんかつをたべる。

20時を過ぎると一気に静かになる。ソファ席も空いてるけどなんとなくゴロゴロしたい気分だったのでひたすらベッドで本を読む。
22時くらいかな? BGMが消えた。これで一安心。

シャワーを浴びて寝る準備が完了。読みながら寝落ちした。

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朝起きてコンビニで朝ごはんを調達、新宿の街並みを見ながら食べる(宿泊者に限り持ち込み可)
チェックアウトまで本を読んだ。


感想
普段だったら出会えない本に出合えたので良かった。
安くたくさん本を読めるが、割とストレス源となるものが多く(寝にくい、うるさい、歌舞伎町のど真ん中という立地)二回目行くかは微妙。自分に合う穴場のブックカフェを見つけた方がおそらく満足度は高い。


<読んだ本>
・工藤玲音「水中で口笛」
山崎ナオコーラ「かわいい夫」
最果タヒ「きみの言い訳は最高の芸術」
北野武「孤独」
穂村弘穂村弘のこんなところで」
・超私的横尾忠則マガジン
舞城王太郎好き好き大好き超愛してる」(さわりだけ)