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蒼穹のファフナーTHE BEYOND十話、十一話、最終話 劇場先行上映を見ました※ネタバレ感想

対話を選び続けるのがファフナー、どんなに苦しくても存在を選ぶのがファフナー、そして島に帰るまでがファフナー



蒼穹のファフナーTHE BEYOND、ついに完結しました。
本当に完結しました。ありがとう。
ざーっと初見の感想を書いていきます。

fafner-beyond.jp


十話「嵐、来たりて」

何度聴いても喜安浩平さんの総士の声に驚く。だって本当に子供そのものなんだもの。
美羽とバディを組んで敵を撃破しようとするのがかわいい(クレヨンで作戦の絵を描いて解説するのもかわいい「くらえ!」)
いのやいのいいつつ第六次蒼穹作戦の壮行会へ。

一騎が再びキッチンに立って料理してるのがすごく…感慨深いですね。
こうして戦い前の時間をゆったり過ごす風景を見ていると竜宮島が「平和の文化を受け継ぐために作られた島」というのがよく分かる。
大人たちが子供たちを見守るまなざしがとてもやさしい。
雪合戦のカットが歴代OPのセルフオマージュになっていて…泣かせるじゃねぇか…




そしてあっという間に第6次蒼穹作戦へ。
セレノア・レガート・マリス・マレスペロたちの絆も深まってるのが何とも言えない…海の上で、海中で激しい戦闘が繰り広げられます。


不意にコクピットやCDCに風が吹く。
風…?
そういえば竜宮島のミールって…大気だったよね…

眼前に見えてきたのは、故郷、竜宮島。
海神島が竜宮島へ向かっているのと同じように、なんと竜宮島も海神島へむかっていたのです。第三次蒼穹作戦が思い出されます。
そして養生に見覚えのある機体が……

「機体コード……マークツヴォルフ……」
「立上……!」
微笑む白髪の芹ちゃん。

「おかえりなさい」

そしてEDへ…


もうぼろ泣きでした……みんなが帰りたかった場所。ついにたどり着いた、という達成感。何より島と一緒に眠った芹ちゃんが生きていて、迎えに来てくれたという奇跡。どんな言葉よりも優しさと重みのある「おかえりなさい」。

よかった…ほんとうによかった…



十一話「英雄、二人」

タイトルはEXODUSのセルフオマージュですね。EXODUSでは総士と一騎がアショーカを護りましたが、今回は…?


美羽は「やらなきゃ行けないこと」の為に島の中心部へ行こうとしますが、阻止しようとするマリスが襲いかかる。
美羽が竜宮島でやらなきゃいけなかったことは、コアと同化して次の世代へ命を繋ぐこと。マリスの真の目的はこれ止めることでした。なんでかって?だって美羽が世界のために犠牲になることないじゃないか!!!!!!(意訳)ということでした。

「早く言え馬鹿!!!!!!!!!」

わたしはずっとマリスが必死こいて美羽や総士を追っかけ回して奪還する動悸が見えないなと思っていたのですがなるほど……ほんとこういうシンプルな想いって、強いですね。美羽も総士も死んで欲しくないからアルヴィス陣営から奪っちゃおうと。いやぁ…愛だなぁ。ピュア。
マリスはもともとシュリーナガルのエスペラントのはずなので、シュリーナガルの人間と竜宮島民との間にこんなにも絆が生まれていたと考えると…熱いですね、胸が。
ずっと強がっていた彼が見せる、崩れ落ちそうな泣き顔。マリスが一気に人間臭くなってとても好きなシーンでした(7~9話の「地獄へようこそ!」もなかなかに小物臭人間臭かったが)。


総士は島に眠るゼロファフナーを操り高出力の電磁砲でマリスを撃破。
一騎もアキレスと自身の持つ同化の力でレガートを撃破(俺は…お前だ…。お前は…俺だ…!)。


美羽を止めようとする総士を止めようとする一騎。
暗に「竜宮島はひとりの自己犠牲によって成り立ってきたから仕方ないんだ」と説得する。一騎自身も自己犠牲の人だし、なにより竜宮島の神さま(乙姫ちゃん、織姫ちゃん)やエスペラント、その他島のために死んでいった人たちがそうだったので、もうそれが一騎の中では当たり前なんだよね。
「お前らは自分を犠牲にすることしかできないのか!? 最初はそれしかできなかったのかもしれないけど、いい加減に学べよ!(意訳)」
怒りを爆発させてアキレスとマークニヒトが戦う。熱すぎる…


そして美羽は対話の力で世界を祝福することに成功。
なんとアルタイルをみんなに分け与えました。


え…アルタイルを…分け与える…だと…?(甲洋が地味に韻踏んでた)
できるの…?そんなことが…?


できました。世界中がシャイニー☆状態。
私は「俺たちは…奇跡をみているのか…?」のウォルターさんになってしまった。

ほんとに想像を超えてくるなファフナーは…情報量が多すぎて途中何が何やらになってしまったが、対話を選び続ける姿勢がファフナーらしくてとても良かったです。

ちょっと脱線、CGや作画、音響について

オレンジさんのメカCGが本当にすごい!!!!なんか…さらに進化してません?!?めちゃくちゃ動くし色のディテールが本当に細かくて(光の当たり方で期待の色がちょっとずつ違うの、細かい)
カメラワークもダイナミックで迫力がすごい。EXODUS英雄二人の時の超次元な戦闘シーンも凄かったが、今回はさらに超えてきた感じです。


そしてキャラ作監平井久司さんが入ってるのでキャラの顔が本当にいきいきしていて…ビヨに入ってからびっくり顔の表情が( °_° )っぽくなったの可愛いです。EXODUSで「あ、このカット平井先生が描いた/作監したやつだ!」って舐めるように見てたので、今回のキャラ作監はとても嬉しかったです…!



そして斎藤恒芳先生の音楽が本当にいいですね…私の場合、ファフナーは斎藤先生から入ったので(以前宝塚の音楽をよく担当されていたので)(ちなみにプリパラも斎藤先生から入りました)
BEYONDはBEYONDよりも旋律で聴かせる曲が多いような気がして、とても聴きごたえがあります…ホルンとダブルリードの使い方が本当に…好きです!!!




最終話「蒼穹の彼方」

戦いが終わり、竜宮島に降り立つ史彦達。それを新たなコア(輝夜、朔夜)と芹が迎える。

改めて芹ちゃん。生きててくれてありがとう。私は死なないから、ってそんな寂しいこと言わないでくれよ。ずっと一人で闘ってたのかな、って思ったけどそうだよね。新しいコアが生まれたから。

一度海底に沈んだため住居や施設はほぼ壊滅状態。でも、彼らなら必ず再興できるだろうと思えた。そして器屋の土間で真壁親子が邂逅。「ただいま」の一言がこんなに嬉しいなんて…涙腺がずっとゆるみっぱなしでした。

同化現象が進んだミカミカもレオちゃんも、遠見の奪われた右目も、昏睡状態だった里奈もみんな元気な身体を取り戻して…本当に良かったです。世界中がシャイニー☆


総士(こそうし)が「皆城総士の灯篭を流そう」と提案するのがとてもよかったですね。みんな「こそうしと総士は別人」として接してはいましたが、なんやかんや「前の総士とは違うな」と口にすることもあり、前の存在との糸がつながったままであることが示唆されていました。
ここで完全に「過去と決別」すると決めたのがいいな~と思いました。もちろん死者として弔ったり思い返すことはあるでしょうが「昔の総士とは違うんだ」とみんなも総士自身も自覚するんでしょうね。

竜宮島の海に「堂間広登」「貴志シャオ」「遠見千鶴」「皆城総士」と犠牲になっていった人々の灯篭が流れてゆく。灯篭流しはどこかしんみりとしたシーンですが(今回は特に)、人の営みやあたたかさ、「死んだ者たちを忘れない」という気持ちが如実に表れていてとても好きなシーンです。


ケイ素組(甲洋、一騎)は世界を見に行くために再び島の外へ。飛び立つ瞬間に総士が何かを叫ぶのをみて微笑む一騎。

~幕~


途中Separation、シャングリラ(新録)が流れるのがすごく…すごく感慨深かったですね。



僕らは目指したシャングリラ。

かつてはまだ見ぬ外の世界を求めて飛び出した若者たち。島を守るために離れたり戻ったり、そして対話を選ぶために島自体を沈めるという苦しい選択をしてまでも故郷をあきらめなかった竜宮島民たち。

そして多くの犠牲を出しながらも、再び故郷へ帰ってくることができました。


EXODUS最終話の総士の語り。
「君は知るだろう。苦しみに満ちた生でも存在を選ぶ心、それが僕らを出会わせるのだと。世界の祝福と共に僕らは出会い続け、まだ見ぬ故郷へ帰り続ける。何度でも」を見事に回収してくれました。

THE BEYONDは完結しましたが、一騎と総士はこれからもまた出会い続けるのでしょう。



能登総監督、うぶちん、平井先生、ほかスタッフ・キャストの、皆様本当にありがとうございました。

まだまだ竜宮島に帰り続けたいので、早速2回目を見てこようと思います!