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東宝の『ミュージカル ロミオ&ジュリエット』を見てきたよ

6/13まで赤坂ACTシアターで上演されておりました『ロミオ&ジュリエット』を見てきました。


前回ロミジュリを見たのはなんと8年前。
忘れもしない2013年9月…東急シアターオーブ…キャストはロミオが城田優、ジュリエットがフランク莉奈…ティボルトが加藤和樹…キャピュレット夫人が涼風真世…そして水田航生岡田亮輔石川禅安崎求
もうとにかくすごくて、劇場でぼろ泣きして、即CD買って、聞きまくって、「ああ、また見たい!」とずっと思っていたことを思い出します。


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その後再演がありましたがタイミングが合わず…時は流れ…2021年!!やっと見に行けました。
私が行ったのは6/12マチネ。
キャストは以下の通り…

ロミオ:甲斐翔真
ジュリエット:天翔愛
ティボルト:立石俊樹
ベンヴォーリオ:味方良介
マーキューシオ:大久保祥太郎
死:堀内將平

ストーリーや演技についての全体的な感想

ロミオ

甲斐ロミオがすごく…いい意味でのんびりしてるというか…純粋なんだなって…
ずっとふわふわ生きてきて、恋ってなんだろう? 愛ってなんだろう? って悲観的にならずずっと追い求めててきたロミオのように感じられました。
だからこそ、ジュリエットとの運命的な出会い~別れ~服毒までのジェットコースター感が(おお可哀想に…)という感じで。しくしくしく…みたいな。甘ちゃん坊ちゃんぽさがすごかったです。
これは本当に、悪い意味でなくて、優しさが前面に溢れたロミオなんです甲斐君は。マーキューシオ、ベンヴォ―リオのことを本当に友人として想っているのが伝わってくる(だからこそ、その旧友よりも出会ったばかりのジュリエットを取るんだ!?という驚きが大きい)
『僕は怖い』を歌いながら死に振り回されて翻弄される様子は圧巻でした。

昔のキャストと比べるのもあれかなって思ったんですが、城田優のロミオは登場時から憂いがあって「僕は怖い」の場面なんかは、モンタギュー家の人間としてずっと抱えてきた湿っぽさを前面に押し出してきた記憶があります。



ヴェローナ追放以降は本当にもう、絶望…って感じで。肩に力が無くて、薬を手に入れた瞬間はもはや狂気にも近いというか。
霊廟でジュリエットに再開した瞬間、もちろん絶望に打ちひしがれた表情なんですが「死んでるけどまた会えて嬉しい」という仄暗い喜びすらあるような。服毒して天国のジュリエットのもとへ行こう、という歌がハピエンソングに聞こえる(メリバなのに)

ジュリエット

そんな感じだったので天翔愛ちゃんのジュリエットがすごく強く見えました。
何も知らないゆえの無敵感!!みたいな。16歳の乙女パワー、すごい。ロミオのヴェローナ追放を知った瞬間、乳母に「もう一度言ってごらん!?(怒)」というところとかめっちゃ強かった。

ティボルト

そしてティボルト~~~…お前……すき屋!!!
立石君のティボルトはちょっと堅物っぽくて執念深いティボルトでした。「おれはジュリエットのことこんなに好きなのに!!!!」みたいな堪える表情とかね、最高でした。
『ティボルト』の「この恋さえもあきらめるのか」と切なく歌うのがマジで切ない。
そして編み込みっぽいへアメがすごく似合っててかっこよかったです。決闘シーンも「ジュリエットがおまえを…?笑わせんな!」みたいな嘲笑も犬が食らいつくような切実さがあるというか。
『今日こそその日』の恨みや苦しみがガチで苦しかったよ。私が一番感情移入しちゃったキャラクターでした。

その他

味方ベンヴォーリオはマジで善人。ふだんおちゃらけてるけど一番善人!ってタイプの善人。
大久保マーキューシオはぱっと見普通じゃん→喋ったらやべえやつだった、みたいなギャップが良かった。

そして死!!!Kバレエカンパニーの方なんですね。筋肉がバレエダンサーらしくぎゅ!となっててめちゃくちゃかっこよかったです。
無症状なんだけど、凄みがあって、死に誘惑するシーンの笑みが滅茶苦茶こわかった。


ダンス・演出

前からポップ・ロック・ミュージカル!という感じですが、今回はさらにポップになりましたね。HIPHOP路線。
途中「え!? ヒプマイ始まった!?!」という場面もあるくらいで(笑)
その分キャピュレット家のジャズダンスっぽい正統派な演出が光りました。
この演出だとよりキャピュレット家=前時代的、モンタギュー家=革新的という風にも見えます。ヴェローナ大公もマーキューシオと血縁があるしね。
キャピュレット家のダンサーにめちゃくちゃかっこいいボブのオネーサンいてずっと目で追っちゃった。(これが恋!?)

久々にダンサーがバチバチに踊る舞台を見て、めっちゃテンションあがっちゃった!!動くところ動いてピシッと止まる姿みると「うお~~~~!」ってなる。

2013年版との相違点

※覚えている範囲です

①衣装がより現代的に!

特に女性陣の衣装が変わりましたね。以前は輪っかのドレス…とまではいきませんが、女性陣はみなきっちりドレスを着こんでいました。涼風真世さんの真っ赤な薔薇のようなドレスがとても素敵で印象に残っています。
今回は春野寿美礼さんがキャピュレット夫人。リッチなファーとタイトスカートが!!美しい!
ヘアメイクも上品な感じで、咥えタバコが尚更セクシーに見えました。そう、タバコがめちゃくちゃかっこよかったの…オサさま…ってときめくただのヅカヲタになっちゃった。


そしてジュリエットの衣装がさらにキュートに。
前回は清廉な16歳の乙女…という感じでしたが、今回はとにかくキュート。ふわふわのパニエからリボンのついたジャケットから…アンサンブルたちの衣装がかなり現代的なので全く違和感がない。そしてクラシカルな雰囲気も残してる。融合がすごい。



そして一番の驚き
死が服を着ている!!!(前は網タイツみたいなのでしたっけ)
通行人Aみたいな感じでコートにハット被って後ろにいる。日常に潜む悪魔(吉良吉影?)みたいだなぁ。僕の背中にそっと忍び寄る影…
どんどん服を脱いでいって本性を現していく感じが怖かった。青白いし聖痕あるし。


②演出

あの…全体的に…お芝居…減りました…?コロナ対策?
前見た時はもっと歌と歌の間のお芝居があったような…演出が変わっただけ?自分の思い出補正?
舞台の間口が狭くなったこと、とコロナ禍もありアンサンブルの人数も減ってた気がする。

以下箇条書きです。
・冒頭の「ヴェローナの再開発計画~」の下り無くなってる?死が美しく舞いすんなり始まった。
・ティボルトとキャピュレット夫人の不倫ぽい絡みシーンめちゃくちゃあっさりになってませんでした?えっちなキスとかしてた記憶が…
・『どうやって伝えよう』のバックに流れるモンタギュー3バカの思い出アルバムなにあれwwwww
すごい切ないシーンなのになぜか笑いそうになっちゃった。
・「神父様のメールは!?読んでないの!?」は健在
・ラストの十字架のシーン、死がぬらっと現れて怖かった。十字架にしがみついてキリストをめっちゃ触ってるのも怖い。
前は天井からつるされて十字架が赤く光ってEND!!だった気がする。



全然まとまりのない文章になってしまいましたが、自分用の観劇メモでした。
またロミジュリみれて本当に良かったな~!!楽しかった!!
コロナが無ければ名古屋大阪も行きたかったな…