犬も歩けば好きに当たる

アニメやマンガの雑記ブログ

NTRモノ好きが映画『ドライブ・マイ・カー』を見た感想

原作・村上春樹著『女のいない男たち』既読。かなり好きな短編集である。

何を隠そう、これは村上春樹渾身のNTR短編集なのである。※主観です

私はNTRが大好きである。
その中の一編『ドライブ・マイ・カー』が映画化するということで行ってきた。

 

キャスト
家福悠介(寝取られ男西島秀俊
家福音(妻) 霧島れいか
高槻(寝取り男) 岡田将生

この時点でかなり期待値が高い。正直脚本や演出があれでも(しかもこの映画、3時間ある)このキャスティングだけで評価を補完でいそうだと思って鑑賞開始。

※ここから先は大いにネタバレを含みます

 


<あらすじ>
短編をどうやって3時間の映画に?と思っていたが、物語の主軸はドライブ・マイ・カー、そしてその他の短編の要素(というかちゃんと出てくるのは『シェエラザード』『木野』)を散りばめたオリジナルストーリー。


主人公の家福は舞台俳優である。『ワーニャ伯父さん』という戯曲の舞台に出演している。
妻の音は家福と寝た後、寝物語を語る。しかし、音は翌朝になると忘れてしまっている様子。その話を家福が語って聞かせ、リライトして脚本に仕立てていた。
ある日、仕事へ向かうフライトがキャンセルになり急遽家に戻ると、以前顔を合わせたことのある若い俳優(高槻)と妻が寝ていた。家福はそっと家を出る。
その後も妻から家福への愛情が変わる様子はなく、家福もそれに応える。その後深刻気な顔で「帰ったら話をしたい」と妻に言われる。しかし、その夜家福が家に帰ると妻は亡くなっていた。

妻を亡くした2年後、広島で行われる演劇祭の演出の仕事を請ける家福。そこでみさきが家福の運転手として働くこととなる。そして高槻と家福が俳優と演出家という立場で再会し、物語が進む。

 

 

<原作と違う点>※覚えてる範囲内
凡例) 原作 → 映画
妻    女優 → 脚本家(元女優)
亡き娘  生まれて3日後に死亡 → 4歳の時死亡
高槻    そこそこ年のいった俳優 → 若い俳優
サーブ(車)の色 黄色(妻が選んだ) → 赤
渡利が運転手になった理由 自身が出演する舞台に通う為 → 映画祭期間中に事故を起こされると困るため(緑内障の描写は共通)

 

あとは何から何までオリジナルストーリーです。

 

 


感想


とにかく画がいい!!!
俳優さんだけのカット、車内のカット車窓のカット、空から車を映したカット、どれととっても美しい。季節が秋~冬だったのもよかった。美しい。
そして私はロードムービーが大好きなので、車に乗るシーンの多さに大満足しました。そして3時間という長い映画にも関わらず飽きずに見れる。これはシンプルな音楽と凝った画のおかげな気がする。もちろんゆっくり物語が進んでゆく脚本もいい。
そしてせりふ回しが「THE・村上春樹」って感じの脚本でゾクゾクしちゃった。


渡利みさき役の三浦さんが最高でした。
みさきのぶっきらぼうさ、踏み込んでこない優しさみたいなものがにじみ出ていた。男物のツイードのジャケット(原作通り)が似合ってた…。
高瀬が家福の車でポツポツと心情を吐露するシーン、涙に目を滲ませる岡田将生くんが美しすぎてヤバかった。
そして西島秀俊の使い方が…うまい!ちょっとくたびれた感じの中年感がサイコー。めちゃめちゃかっこいい。

ストーリーは原作とは大きく違うが、原作ファンも結構納得する出来だと思う。

 

 


登場人物『他人を理解したい』という気持ちが、多言語で行われる舞台とリンクしているようだった。
はじめ家福はみさきの運転する車の後部座席に乗っているんですが、物語後半からは助手席に座るようになり、ラスト近くではみさきとタバコを吸いながらドライブします。これが心の距離が縮まっていくようでとても良かったです。
サンルーフに手を伸ばしてタバコを空に掲げるシーン、単純に車内に煙が篭らないようにする意図なんでしょうけど、なんだか発煙筒のようにも、お線香のようにも見えてとても切なかった。

高槻は「相手をもっと知りたいから寝る」と言っていた。彼は家福を飲みに誘った。オーディション中、相手役に詰め寄り強引にキスをした。無断で写真を撮った見知らぬ男を殴った。とにかく言葉よりも体が先に動く人間なんだろう。
なんだか、家福の対極にいる人間だと思った。家福は妻の浮気も見ぬふり、川底のヤツメウナギのようにじっと時をやり過ごしているように見える。現実から目を逸らしやり過ごそうとした結果、倒れた妻の発見も遅れてしまったと、家福は婉曲的に表現していた。

家福はずっと妻の死と正面から向き合わず、じっとやりすごしているように見えた。しかし、彼に必要だったのは『正しい惜別』だったのだと、ラストシーンをみて思った。

みさきの「奥さんはあなた以外とも寝た。でもあなたを愛している気持ちも本物だった。そう思うことはできませんか」みたいな台詞が良かった。
人間にはいろんな面がある。職場での自分、家族の前での自分、友人の前での自分、愛する人の前での自分。どれも演じ方が違うけれど、どれひとつ「偽りの自分」はいない。全部本物の自分である。音が他の男と寝るのも、そういうことだったんだと思う。
ずっと寡黙でこちら側に踏み込んでこないみさきが、最後家福へ歩み寄って抱きしめたところが意外でもあったし、彼女の優しさの表れでとしての納得でもあった。

 

 

切ないけれど穏やかに満たされる、そんな映画でした。
配信開始したらまた見たいな。

 

 

 NTR好きからの観点

「好きな男の子の家に不法侵入する女子高生の話」に続きがあることを、夫である自分が知らなくて、浮気相手の高槻だけが知っていることを知らされるシーンが一番胸アツだった。
だって家福は身体のつながりより精神的なつながりを大切にしている人だと思うので(妻からの愛を信じている、妻が吹き込んだ戯曲のテープを大切にしている)寝物語の一部とはいえ自分以上に彼女を知っている人がいるという事実は、かなりショックで腹の中が煮えちゃうんじゃないかな。そんな場面でも家福はつとめて冷静だったので、私は尚更興奮してしまいました。
高槻の証言も出まかせではなく本物っぽいところもポイント高い。彼は俳優だからそれっぽいことをさも本物のように語ることも可能なんだろうけど、みさきが「彼の言うことに嘘があると思えない」と言っていたから、多分そうなんでしょう。
それまでずっと「妻と高槻の関係は知っている、でも高槻はそれを知らない。妻は既に死んでいて、家福悠介の妻は音である事実は一生揺ぎ無い」というスタンスだっただけに…感慨深いですね!!!

音視点の話になりますが、高槻と寝てるときは感じまくってる顔をしていたのに、その時と同じ場所で同じ体位で家福と寝ている時は真顔だったのもよかった。その真顔の意味は、「高槻と寝たの、バレちゃった…?」でも「今日はイマイチ気分じゃないのよね」でもどっちでもいいんです。とにかく、どちらの表情も彼女の『本物』であることに違いはない訳で…。良い。人にはいろんな面がある。

 

 


小ネタ


北海道(初冬)に行ったシーン、車のタイヤはどう考えてもノーマルタイヤのままだと思うんですが大丈夫だったんですかね…? 雪積もってましたが…

 

そして最後の最後、韓国に渡ったみさきの姿、どう考えてもアフターコロナの世界だったので切なかった。同時に、この物語と私たちの生活が地続きであることを示唆しているような気がした。

東京国立近代美術館・MOMATコレクションを見てきたよ


非常事態宣言の発出により都内の美術館や映画館がしばらくお休みしてましたね。
自分はずっと「映画いきたい!美術館いきたい!」って感じでずっとうずうずしてました。

そして6/1に一部制限が解除され、ついに再開。
感染対策を徹底し、東京国立近代美術館へ行ってきました!

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絵画の美術展に行ったのは昨年11月の「英国王室展」以来。
明日海りおさんの解説付きで「うわ~!これ教科書で見たことある絵だ~」と興奮するほど楽しかったんですが、結構混んでました。その時思ったのが「とにかくゆっくり、自分のペースで、絵を見たい!!できれば日本人の作品を!!」でした。
というのも、去年現美の常設展に行ったとき、日本人の作品見るのがすごく楽しかったんですね。なぜなら私は日本人なので。


いざ、MOMATへ。
竹橋から皇居のお堀が見えます。緑が綺麗でした。

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MOMATコレクションチケット代500円だったんですけど、結論から言うと「これで500円は安すぎる」でした。
こんなに…こんなに有名な絵や素敵な作品をこれでもかと見せて貰えて、500円でいいんですか…ありがとうございます。一部撮影不可のものもありますが、ほとんどの作品撮影OKだし。めちゃくちゃ空いてたし、ゆっくり見れてよかったです。

個人的に絵の解説文が堅苦しくなくてとても好きでした。

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横山大観を初めて生で見ました。ぼかしの手法とか、すごいっすね。
子供を迷わせるキリスト、釈迦、ヤハウェの図とかね。風刺画みたいな。


そして藤田嗣治の絵シリーズ。

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猫の表現がすごい。毛はふわふわなのに牙や爪が尖ってる感じとか。

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そして戦争画。とにかく絵がでかくて、一人一人の険しい表情がリアルでした。

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2枚目のは奥に戦火が揺らいでる感じとか、国旗がはためいている感じとか、ストーリー性があるっつうか…


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浮世絵も初めてちゃんと見た。立葵みて夏って感じがした。


やっぱ日本人の絵、サイコー!

という記事を下書きのまま残していたので供養としてUPしときます。

2021年に『狂四郎2030』を読んだ

ヤンジャン!で配信している狂四郎2030を4巻までよんだ。
(えっ 今日は全員カレーライス食っていいのか!! おかわりもいいぞ、のあれ)
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ニコニコ見守ってるのが若き日の狂四郎

感想

下ネタギャグ下ネタシリアスギャグ下ネタギャグシリアス下ネタ、って感じで驚いた。
しかしめちゃくちゃ面白い!

・男女が分けられて支配される世界線、インターネットを介して主人公と二人が出会う
・ヒロインに一途な主人公、「会いたい」という目的が明確
・主人公を想いながらも高官たちに良いように弄ばれるヒロイン、しかし意思が固く、強い女
果たして無事二人は現実世界で会うことができるのか!?

着地点が明確なのがとてもいいですね。きっとここから目的が変わっていくんでしょうけど、どうなるのか楽しみです。



なんだろう、エロの描写はめちゃくちゃ過激なんだけど「情愛」って感じがすごいんだよね。
狂四郎とユリカが思いあっているのがものすごく伝わってくる。

とにかくどのコマも表情の描写がすごい。バーチャル世界で狂四郎に会えてうれしいユリカの顔、絶対に赤木には屈しないという覚悟するユリカの顔、八木に恐怖しながらもどこか惹かれていくユリカの顔。非言語でここまで伝わるのか、という感じ。
八木が爬虫類の化物に見えるという演出もすごいです。不気味さが伝わってくる。

あと、狂四郎の先頭シーンとギャグシーンの温度差がすごい。戦闘シーンのまなざしが鋭くてゾッとするほど怖い。

それにしたってヒロインやられすぎや!!!!

東宝の『ミュージカル ロミオ&ジュリエット』を見てきたよ

6/13まで赤坂ACTシアターで上演されておりました『ロミオ&ジュリエット』を見てきました。


前回ロミジュリを見たのはなんと8年前。
忘れもしない2013年9月…東急シアターオーブ…キャストはロミオが城田優、ジュリエットがフランク莉奈…ティボルトが加藤和樹…キャピュレット夫人が涼風真世…そして水田航生岡田亮輔石川禅安崎求
もうとにかくすごくて、劇場でぼろ泣きして、即CD買って、聞きまくって、「ああ、また見たい!」とずっと思っていたことを思い出します。


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その後再演がありましたがタイミングが合わず…時は流れ…2021年!!やっと見に行けました。
私が行ったのは6/12マチネ。
キャストは以下の通り…

ロミオ:甲斐翔真
ジュリエット:天翔愛
ティボルト:立石俊樹
ベンヴォーリオ:味方良介
マーキューシオ:大久保祥太郎
死:堀内將平

ストーリーや演技についての全体的な感想

ロミオ

甲斐ロミオがすごく…いい意味でのんびりしてるというか…純粋なんだなって…
ずっとふわふわ生きてきて、恋ってなんだろう? 愛ってなんだろう? って悲観的にならずずっと追い求めててきたロミオのように感じられました。
だからこそ、ジュリエットとの運命的な出会い~別れ~服毒までのジェットコースター感が(おお可哀想に…)という感じで。しくしくしく…みたいな。甘ちゃん坊ちゃんぽさがすごかったです。
これは本当に、悪い意味でなくて、優しさが前面に溢れたロミオなんです甲斐君は。マーキューシオ、ベンヴォ―リオのことを本当に友人として想っているのが伝わってくる(だからこそ、その旧友よりも出会ったばかりのジュリエットを取るんだ!?という驚きが大きい)
『僕は怖い』を歌いながら死に振り回されて翻弄される様子は圧巻でした。

昔のキャストと比べるのもあれかなって思ったんですが、城田優のロミオは登場時から憂いがあって「僕は怖い」の場面なんかは、モンタギュー家の人間としてずっと抱えてきた湿っぽさを前面に押し出してきた記憶があります。



ヴェローナ追放以降は本当にもう、絶望…って感じで。肩に力が無くて、薬を手に入れた瞬間はもはや狂気にも近いというか。
霊廟でジュリエットに再開した瞬間、もちろん絶望に打ちひしがれた表情なんですが「死んでるけどまた会えて嬉しい」という仄暗い喜びすらあるような。服毒して天国のジュリエットのもとへ行こう、という歌がハピエンソングに聞こえる(メリバなのに)

ジュリエット

そんな感じだったので天翔愛ちゃんのジュリエットがすごく強く見えました。
何も知らないゆえの無敵感!!みたいな。16歳の乙女パワー、すごい。ロミオのヴェローナ追放を知った瞬間、乳母に「もう一度言ってごらん!?(怒)」というところとかめっちゃ強かった。

ティボルト

そしてティボルト~~~…お前……すき屋!!!
立石君のティボルトはちょっと堅物っぽくて執念深いティボルトでした。「おれはジュリエットのことこんなに好きなのに!!!!」みたいな堪える表情とかね、最高でした。
『ティボルト』の「この恋さえもあきらめるのか」と切なく歌うのがマジで切ない。
そして編み込みっぽいへアメがすごく似合っててかっこよかったです。決闘シーンも「ジュリエットがおまえを…?笑わせんな!」みたいな嘲笑も犬が食らいつくような切実さがあるというか。
『今日こそその日』の恨みや苦しみがガチで苦しかったよ。私が一番感情移入しちゃったキャラクターでした。

その他

味方ベンヴォーリオはマジで善人。ふだんおちゃらけてるけど一番善人!ってタイプの善人。
大久保マーキューシオはぱっと見普通じゃん→喋ったらやべえやつだった、みたいなギャップが良かった。

そして死!!!Kバレエカンパニーの方なんですね。筋肉がバレエダンサーらしくぎゅ!となっててめちゃくちゃかっこよかったです。
無症状なんだけど、凄みがあって、死に誘惑するシーンの笑みが滅茶苦茶こわかった。


ダンス・演出

前からポップ・ロック・ミュージカル!という感じですが、今回はさらにポップになりましたね。HIPHOP路線。
途中「え!? ヒプマイ始まった!?!」という場面もあるくらいで(笑)
その分キャピュレット家のジャズダンスっぽい正統派な演出が光りました。
この演出だとよりキャピュレット家=前時代的、モンタギュー家=革新的という風にも見えます。ヴェローナ大公もマーキューシオと血縁があるしね。
キャピュレット家のダンサーにめちゃくちゃかっこいいボブのオネーサンいてずっと目で追っちゃった。(これが恋!?)

久々にダンサーがバチバチに踊る舞台を見て、めっちゃテンションあがっちゃった!!動くところ動いてピシッと止まる姿みると「うお~~~~!」ってなる。

2013年版との相違点

※覚えている範囲です

①衣装がより現代的に!

特に女性陣の衣装が変わりましたね。以前は輪っかのドレス…とまではいきませんが、女性陣はみなきっちりドレスを着こんでいました。涼風真世さんの真っ赤な薔薇のようなドレスがとても素敵で印象に残っています。
今回は春野寿美礼さんがキャピュレット夫人。リッチなファーとタイトスカートが!!美しい!
ヘアメイクも上品な感じで、咥えタバコが尚更セクシーに見えました。そう、タバコがめちゃくちゃかっこよかったの…オサさま…ってときめくただのヅカヲタになっちゃった。


そしてジュリエットの衣装がさらにキュートに。
前回は清廉な16歳の乙女…という感じでしたが、今回はとにかくキュート。ふわふわのパニエからリボンのついたジャケットから…アンサンブルたちの衣装がかなり現代的なので全く違和感がない。そしてクラシカルな雰囲気も残してる。融合がすごい。



そして一番の驚き
死が服を着ている!!!(前は網タイツみたいなのでしたっけ)
通行人Aみたいな感じでコートにハット被って後ろにいる。日常に潜む悪魔(吉良吉影?)みたいだなぁ。僕の背中にそっと忍び寄る影…
どんどん服を脱いでいって本性を現していく感じが怖かった。青白いし聖痕あるし。


②演出

あの…全体的に…お芝居…減りました…?コロナ対策?
前見た時はもっと歌と歌の間のお芝居があったような…演出が変わっただけ?自分の思い出補正?
舞台の間口が狭くなったこと、とコロナ禍もありアンサンブルの人数も減ってた気がする。

以下箇条書きです。
・冒頭の「ヴェローナの再開発計画~」の下り無くなってる?死が美しく舞いすんなり始まった。
・ティボルトとキャピュレット夫人の不倫ぽい絡みシーンめちゃくちゃあっさりになってませんでした?えっちなキスとかしてた記憶が…
・『どうやって伝えよう』のバックに流れるモンタギュー3バカの思い出アルバムなにあれwwwww
すごい切ないシーンなのになぜか笑いそうになっちゃった。
・「神父様のメールは!?読んでないの!?」は健在
・ラストの十字架のシーン、死がぬらっと現れて怖かった。十字架にしがみついてキリストをめっちゃ触ってるのも怖い。
前は天井からつるされて十字架が赤く光ってEND!!だった気がする。



全然まとまりのない文章になってしまいましたが、自分用の観劇メモでした。
またロミジュリみれて本当に良かったな~!!楽しかった!!
コロナが無ければ名古屋大阪も行きたかったな…

映画『シドニアの騎士 あいつむぐほし』を見たよ

シドニアの騎士アニメ履修済原作未読の人間の魂の叫びです。
iphone のメモに書きなぐったものをそのまま引用してる感想以下の記事なのでご了承ください。


やっぱり岐神海苔夫が性癖すぎる!!!!!!!
名家の重圧を背負い、使命に燃えていたにも関わらずぽっと出の地底人にずっと憧れてた継衛を奪われ、エースパイロットの座も脅かされ、ちょっと意地悪してたら同期を間接的に殺してしまい、罪悪感とトラウマによりPDSDとなり搭乗すらできなくなってしまった岐神海苔夫くん!そんな中挽回しようと(出し抜こうと)したら落合の傀儡となってしまった岐神海苔夫くん!傀儡にされている間大事な妹まで失いかけてしまう岐神海苔夫くん!!不遇と不幸と空回りのフルコース!!


で!!!傀儡解除後に乗る機体が、継衛改二!!!バックに流れるシドニア!!かつてのライバルと共闘!!!熱すぎる!!
TVシリーズのトラウマに苦しむ辺りの苦悩する表情と、声優さん(櫻井さん)の演技がとても・良なんですよね。長道に対するクソデカ感情。長道が素直なだけに海苔夫の屈曲具合が引き立つんです。でもその海苔夫も結局は東亜重工シドニアのためにってものが根底にあるから(タカビーではあるけど)憎みきれないのよね。
傀儡解除後は山野弟の班員として誠実に任務を務める姿がめちゃくちゃかっこよかった。ララァを守るシーンとか鳥肌たったわ。

それにしてもシドニアは「やったか?!」→「まだ本体が残ってます!カッコゲキハ出来てません!」が多すぎる。それだけ奇居子が複雑化してるってことなんだろうけどね。

そして今作最大の敵、科学者落合の融合個体としての復活
「あとどのくらい死によって命をつなぎ止められるか?1億年?いや、持って数千年だろう」ってセリフ、弐瓶勉すげーになっちゃった。生殖によって子孫を残し種を繋ぐことを否定する台詞を「死で生を繋ぎ止める」って表現、どう生きていたら出てくるの。
融合個体化した落合のビジュアルが怖すぎる。理科室の筋肉むき出しの人形みたいな。小林が狼狽えまくってるのを見て(ああ、ほんとにやべぇんだな)というのが伝わってきた。
そしてララァと落合の過去。落合にも人間だった頃があるんですね…まるで長道とつむぎ(星白)みたいだと思いました。

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もうひとつの性癖、ショタ長道。今作ではすっかり大人に


サブタイトルが「あいつむぐほし」ということで、つむぎとのラブコメもしっかり楽しませてもらい…(海でキャッキャウフフする男女なんて何年ぶりに見た?レベル、最近こういうベタな演出ないですよね)
2人ともまっすぐ過ぎて眩しいわ。つむぎがひたすら健気で可哀想になってくるくらいかわいい。好きとかじゃなく、愛だよ。文字通り身を粉にして好きな人を守るんだもの。
テレビシリーズから数年経過して大人っぽくなった長道かっこよかったです。長道じゃなくて長道さんだわ…普段のほわほわ具合と戦闘中のキリッとし感じの差がすごい。今作は特に。やはり愛する人がいると人は変わりますね。でも恋人が瀕死だとしても、そばにいたいと思っていたとしても、ずっと「シドニア」最優先で戦う姿はまさにシドニアの騎士でした。

正直展開が速すぎて理解できない部分もあったので近々二回目を見たい。






あと…私ずっとイザナ×纈だと思ってたんですけど、公式的には纈×イザナなんですね?!?

2期で長道をめぐってキャットファイトしてる二人が大好きで、そんな2人が今作いい感じで(お?)って思ってたんですけど、まさかの纈が男体化。この世界はクローンがあれば中性もあれば女体化もあるのでそりゃ、男体化もあるか〜…あい、つぐんでくれ。

舞台『99-ナイティナイン-』を見てきたよ

観劇から一か月以上経ってしまいましたが、観劇ノートをもとに感想を書きます。
間違ってるところがあったらごめんね。

あらすじ

主人公・神木坂つばさ(田中涼星)は、子役時代に「中学生刑事(デカ)」という映画で脚光を浴びたスーパースターだった。しかし成長して仕事が減り、大学生となった今、その栄光は人々の記憶から消え始めている。

そんな中、つばさは傷害事件を起こして警察に捕まり、刑務所に収容されてしまう。皮肉にも刑事役を演じていた彼は真逆の立場に転落し、囚人番号「99」を背負うこととなってしまうのだった。

その先で、ある運命的な出会いが待っていた。

囚人たちを「犯罪者はクズだ」と日頃から厳しく罵り、“鬼刑務官”と恐れられる黒澤(稲垣成弥)。冷たく近寄りがたい印象の彼だが、実はつばさの熱狂的ファンであり、自身の高校生時代に「中学生刑事(デカ)」の影響を受けた人間だった。

そんな2人が、囚人99番と鬼刑務官として刑務所で巡り合うことに。お互いはもちろん、他の囚人や刑務官たち、果ては塀の外の人間たちに変化をもたらしてゆく。

(2.5ジゲン!!より引用)https://25jigen.jp/report/43083

いいね獄中もの!しかもコメディ!
この暗雲立ち込める世の中に必要なのはズバリ、笑いである。

友達の推しが出演していて「チケット余ってるので良かったらいかない?」と誘われて行ってまいりました。

当日

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数年ぶりに博品館劇場に来ました。博品館劇場のこぢんまりとした柔らかい雰囲気…すき屋
東京宝塚劇場の赤い絨毯×シャンデリアの煌びやかエントランスも夢が合って大好きですがこういう小劇場のあったかい雰囲気もいいよね。
数年間劇場に足を運んでなかったので、劇場来れたという事実だけでテンションがめちゃくちゃ上がった。

感想

もうとにかくね、コミカルとシリアスのバランスが最高でした!シリアスな笑い、コミカルな笑い、そして感動と爽快感! ガッツリ殺陣を見れたのも嬉しかったです。シリアスな笑い大好き。

刑務所の鬼刑務官・黒澤(稲垣成弥)キツーくしごかれる受刑者たち。ある日新入りとして入所してきたのは『中学生刑事(デカ)』というドラマに出演していた天才子役の主人公・神木坂つばさ田中涼星)。画面の中で活躍していたような覇気は無く、うつむきがちです(そりゃ笑顔で入所する人はいないだろうが)。作業所に入るよう促されると「ぼくは…」と何かを言いかけますが、その言葉は遮られます。

黒澤のモットーは「指導ではなく粛清」。その厳しさは職員のみならず法務局で知られるほど有名。そんな彼なのに新入りのつばさには異様に優しく、丁寧に接します(刑務官が受刑者に「お茶とジュース、どっちがいい?」って聞くな)。なんと黒澤はつばさのファンだったのです!
その様子がいかにもコミカルで楽しい。優しい黒澤の様子にビビる受刑者たち4名の反応が面白い。

この時点でつばさが入所してきた理由は具体的に語られておらず、「傷害罪」という罪状しか分かりません。つばさの煮え切らない態度からして何かある? とワクワクしますね!!
この鬼刑務官黒澤、とにかく足が長い。足が、ながーい。オールバックの黒髪がかっこいい。声がいい。サディストっぽい目線や笑い方がいい。すべてがいい。カッコイイの極み(テニスの必殺技?)
気弱な刑務所長の靴が茶色で黒澤の靴が真っ黒の革靴っていうのも良かったです。舞台機構も格子状のセットで、刑務所っぽい雰囲気が出ていました。

そして場面が変わり、何故か煌びやかな照明の中でダンスを踊る受刑者たち。そう、これも職業訓練の一環――もとい、つばさを銀幕の世界へ返すための黒澤の計画でした。
受刑者と打ち解けてにこやかな笑顔をみせるつばさがかわいい。爽やか好青年です。さすが田中涼星。
そして響く滝沢刑務官の美声…ここは帝劇?(コメの舞台を先日配信で見ましたが、そちらでも岡さんがレミゼっぽい何かを歌っていましたね)

お次は殺陣の稽古…だったのですが、つばさは拒否反応を示します。
それもそのはず、その殺陣講師はつばさの知り合い。しかも出演予定の映画で殺陣指導をしていた先生でした(その映画はつばさの逮捕によっておじゃんになりました)。つばさは必死に謝罪。その悲痛な姿を見た黒澤は、事情を知らなかったとはいえ酷なことをしたと謝ります。

その頃受刑者の双子の兄弟(ジャーナリスト)がつばさの入局を追って取材を試みます。
つばさの罪に迫るわけですね。
そしていよいよつばさが打ち明けます。「僕は何もやっていない!僕は何の罪で逮捕されたんですか」と。
勿論つばさは傷害罪で実刑判決を受けました。しかし、つばさにはアリバイがなく、ある日突然逮捕されたというのです。
~以下逮捕までの回想シーン~
ここの回想シーンがめっちゃ面白かったです(チャラい同級生、雨の夜、警察に連行されるツバサのテレビ映像の再現(ここ心の中で大爆笑))。つばさは冤罪逮捕だったのです。

泣きそうになってるつばさ、かわいい(かわいそうでかわいい党の人間なので)。健気なんだよなぁどこまでも。
軽い傷害で実刑5年(執行猶予無し)というのがいかにも仕組まれた感じがしてウケた。

刑務局長の不正、冤罪を暴こうとする受刑者たち、獄中映画の撮影が絡み合い、バトル(殺陣)へ!!
この後半のテンポ感が最高でした。
悪を成敗するときの台詞がなんと、中学生刑事のキメ台詞という演出もにくいですね。悪をくじく神木つばさかっこよすぎる。
エピローグがプロローグを踏襲する、という演出方法、王道っぽくて大好きです!!!大円団!!!

そして銀幕へ舞い戻ったつばさが刑務所に慰問に訪れ幕。受刑者姿のときはダボダボの服で猫背がちだったのが、カッコイイライダー姿になって登場。ほそい!足が長い!足が、ながーい!キラキラ好青年。
つばさに再開した刑務官や受刑者たちが嬉しそうで、ハッピーになれました。

総括

やっぱり生の舞台は…いい!!!!!!!
役者さんの息遣いだったり表情だったり、熱がダイレクトに伝わってくる。
最近はエンタメと言えば映画ばかり見る生活だったため、舞台ならではの演出を沢山見ることが出来て本当に感激しました(照明、舞台装置による場面転換、音楽etc)。

上には詳しく書けませんでしたが4人の受刑者仲間がそれぞれ個性があっておもしろいんですよね。物語のキーにもなるし、コミカルに場を回して盛り上げ役にもなるし。

脚本も演出も、何より役者さんたちの演技も熱く、大満足の観劇となりました。
思わず笑みがこぼれる作品で、とても元気が出ました。気持ちが塞ぐ日々ですが、とてもリフレッシュできた~!



次の観劇予定はズバリ東宝の「ロミオ&ジュリエット」です。こちらも無事開催されますように。
忘れもしない2013年。シアターオーブで見た城田優のロミオ…かっこよすぎた!!!!!
星組のも見たかったよ~

KIRINJIの新曲「再会」を聴いて

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アルバム『cherish』以来の新曲、嬉しいです!
昨年でグループ体制としての活動を終えたKIRINJI(昨年末のラストライブ最高でした)
堀込高樹を中心とした劇団型KIRINJIとして最初の曲、どんな曲かな!ととても楽しみでした。


www.youtube.com



今回いつも以上にミックスが今っぽいというか、フレッシュだな!と思いました。
『cherish』の雰囲気も踏襲しつつ、うまく言えないんだけど、次に進んでいくような感じで…最高です!

歌詞・メッセージ

この曲はコロナ禍以後の生活を歌ったものでした。
私は最近の曲に疎いのですが、こうはっきりコロナ禍の世界線を歌った曲って案外まだ少ないのではないかと思います。
1番→コロナを乗り越えた世界線!?
2番→…という夢だったのさ。距離をとる日常を歌う
という構成。

「馴染みの店も新しいスタイル」「透明のパーティション」「ディスプレイの中のその微笑み」
もうこんな生活が1年続いて、我々もさすがに慣れてしまった。人と人の距離を取るのが普通、あたりまえ。でもやっぱり、さみしい。

そう、さみしいんです。コロナに対して頑張ろう、とか、乗り越えよう、ではなく、ひたすら『さみしい』という気持ちに静かに寄り添ってくれる、そんな歌でした。


ずっと心に溜まったもやもやを堀込さんが一言で言語化してくれました。
『たまに会えてもなんだか心にリミッターがかかったまま』
近場の友達とは会えますが(まだ、我慢)という気持ちが常にあり、もどかしい日々です。
『あらゆるものが恋しいよ』
ほんとうに、この一言に尽きます。
「グラスをかかげ肩を寄せ合う」という当たり前も当たり前にできなくなってしまった。私も今までの日々に「再会」したいと、強く願わずにはいられなくなる、そんな曲でした。

「待ちわびている 待ちわびている」
まちわっびってっいるっ まちわーびっているっ と弾むように二回繰り返して前に進みたい、待ちきれぬような気持ちがすごく伝わってくる。
「そんな ゆめをみた」の一音ずつ下がる音ハメが気持ちいい。夢の熱が冷めるよう。そのあとの「Let's meet again Ah」の音の取り方がKIRINJIだ~というお馴染みのラインで嬉しくなっちゃう。


堀込兄のグサッとくる乾いた感じの歌詞がとても好きなのですが(Home Groundの曲が特に)近年の気持ちのやわらかいところをそっけなく捉える歌詞もとてもいいなぁと思っています。(時間がない、愛は光/Negiccoとか)

音作り

全体的に軽やかでポンポンと弾む音がとても春っぽい。吐息でリズムをとり、どこか切ない感じも含めて。そしてメロディーラインを引っ張るようなベースラインが相変わらずとてもいい!!!踊ってるみたい。
この曲に限りませんが、ダンサブルな曲多いですよね。
KIRINJIの曲、どれもベースとパーカッションが計算されつくされているところが好きです。(あと、サックス等管楽器が入る曲がすごい好き)
スネアが4拍目「タタッ」って入る部分とても気持ちいいです(あの子は誰?の裏拍から入るスネアも大好き)

PV

無人の室内、パソコンとひとつだけの椅子。
背後の大きな窓が穏やかに表情を変える。そして白いらいんが絶えず形を変えながら歌詞を紡ぐ。
めちゃくちゃいいPVだ…!この歌詞が「つながり」を表しているようで、いい…

おわりに

コロナとの共同生活(?)がはじまり一年が経ちました。
最近特に大きなことは無いけれどふと(つかれたな……)と思うことが多い毎日でした。
でも、この曲を聞いてまたぼちぼちやれそうです。